45 最終話  次なる冒険の幕開け

魔王になろうとしていたリヴォールを討伐した余韻が徐々に消えつつある…


俺の足は北へと向かっていた。

全身に残った疲労感がある一方で、それを上回るほどの新たな決意が胸に広がっていた。


勝者であることは確かだが、油断大敵だ。


足元に広がる荒れ地を歩くうちに、リヴォールとの壮絶な戦いが蘇ってくる。

炎と闇の魔力、そして圧倒的な力。


リヴォールを倒した時の感覚が今も体に染み込んでいる。

だが、それに満足していては次の試練に立ち向かうことはできない。


まだ道半ばだと、心の奥底で感じているからこそ、踏み出さねばならない。



俺はふと足を止め、深い息を吸い込んだ。


背後に目を向けると、リヴォールを討伐した場所が遥か彼方に小さく見える。

だが、今はそれに振り返ることなく、前を向くべき時だ。

次の冒険が俺を待っている。



どれだけ強くなっても、次の戦いは予想がつかない。

それがどれほど恐ろしいものでも、俺はそれに立ち向かう。

力を尽くして、全てをかけて。


歩きながら、神威との会話を続ける。

「リヴォールが魔王になるのに失敗したから別のヤツが魔王化するんかな…それも良いな、熱い!」


神威が静かに答える。

「楽しそうだな、また助言くらいはしてやろう」


その言葉が、何よりも心強かった。


どれほどの試練が待っていても、俺はそれに立ち向かう覚悟を持っている。

リヴォールを倒し、新たな力を手に入れたことを確信に変えて、俺は新たな狩猟場へ向けて進み続けた。


足元に広がる未知の道

次に待ち受けるであろう敵


乗り越えた先に

どんな景色が広がるのか

答えはまだ分からない


今はただ


先へ進むことしかできない。


---完---

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

元勇者は戦闘狂、目立つと面倒だから透明になって無双狩り、妖刀魔石を携え狩りまくる!! 魔石収集家 @kaku-kaku7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画