第2話 運命

出逢ったのは一年前

賑やかな、けれどいつもと何一つ変わらない街中で

貴方に逢った






貴方の瞳を捉えた私は逸らすことなど到底できず、ただ深く堕ちてゆく






周りがただのちっぽけな背景と化し、いつもならここぞとばかりに脳に入り込んでくる人々の話し声も、人間観察としてついつい見てしまうすれ違う人達も、その瞬間だけは全く気にならなかった





そこに貴方がいて、私がいて

貴方だけを、見つめていた










恋、だなんて

自慢できるほどの経験はないが、思い出すとなんとなくほろ苦い香りが鼻腔を掠めるような記憶はある


どちらかと言うと奥手な方だし、自分からアプローチだなんて恥ずかしいし、相手にどんな風に思われてるかなんて考え出したら寝付けやしない





でも、貴方に逢って











宇宙を知った気分になった

初めて恋に堕ちたとも感じた

初々しい恋心が心を燻るような、もどかしくも暖かい感情








そう、それは


















間違いなく、"運命"の出逢い

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