第四話.お嬢様と魔法学園②
アース王立魔法学校。それはこの世界で最も有名な魔法学校であり、英雄アンドローを輩出した世界一の学校である。アース王国の英雄アンドローは12歳にして剣術士上級レベルの技術を持ちその後は剣神と讃えられた者である。
この世界では魔術士と剣術士が存在して、初級•中級•上級•仙級•聖級•神級の六段階評価がある。特に神級と聖級は神聖級と総称した呼び名があり彼らは両手で数えられるくらいの人数しかいない。
そして今僕は魔法の適正試験を受けている……
───2日前。
「魔法学校。それってどんな場所なのでしょうか?」
いきなりおっさんに魔法学校に行かないかと言われたが流石にどんな場所かわからないため即答で行きますと言いにくい。それよりなぜ僕が魔法学校に行った方が良いと言われたのか謎である。
「アース王立魔法学校は世界でも名門と言われるほど有名な魔法学校だ。もし君がライトウルフなら主席•次席レベルで入学できるはずだ。何故ならライトウルフは魔術や剣術に長けた神の使いの獣人族だからね」
文献頼りなのかな……僕は剣を触ったことないのにそんなの無理でしょ。僕はそう勝手にそう思っていた。
「君を見る限り、光と氷属性の適性があるみたいだね」
属性?そういえばこの世界に来てから光と氷属性の魔法を覚えたけど何属性があるのかとか全く知らなかったな。
「あの、この世界の魔法はいくつ属性が存在してるのですか」
おっさんはそれから魔法属性について話し始めた。おっさんの話ではこの世界は火•水•風•闇•光の五大属性と氷•強化•土の三聖魔法の合わせて八属性の魔法があるらしい。
特に僕の持つ氷属性はとても希少な魔法属性らしい。そして光属性は回復属性とも呼ばれており回復効果や闇属性の攻撃無効化などあるらしい。
「わかりました。僕にあまり期待はしないでくださいよ」
「あぁ、2日後に魔法適正試験があるからそれまでゆっくりと休むといいよ」
そう言うとおっさんは魔法学校の校舎を僕に少しの間案内したあと、僕がしばらくの間滞在する宿屋へと連れて行った。
「では、2日後に会おう。宿屋の支払いはこのカードを使うといいよ」
そう言うとおっさんが馬車に乗って帰って行った。ローナが手を振って僕にまた会おうと大きな声で言っている。周りの人たちの視線は僕集中した。
恥ずかしい……僕はすぐに宿屋へと向かった。宿屋に入ると若い女性が立っている。案内人なのだろうか。見たところ古い年季の入った宿屋だ。
「お嬢ちゃん若いね。さてはアース魔法学校の入学希望者かな?最近は入学希望者が多くて宿屋が繁盛してるんだよ」
「2日間滞在したいので先にお支払い済ませときますね」
そう言うと僕はおっさんから貰ったカードを見せた。カードを見たお姉さんの手は急に震えて止まりお姉さんは震えた声で言う。
「こ、これはアース王国教育大臣の推薦書……お嬢ちゃん。本当にここの宿屋でいいのかい?もっと良い宿屋があるよ」
どう言うことだ。推薦書?このカードってそんなに凄いやつなのか?僕はお姉さんにこのカードについて聞いた。
このカードは王立魔法学校の推薦状で魔法学校の入学までの間はアース王国内で武器防具に宿屋が全箇所無料でお買い物できるそうだ。そしてこのカードは王立魔法学校に確定で入学できる保証がつくほど過去に貰った人がほぼいないくらいの伝説級のカードらしい。あの救国の英雄アンドローでも貰っていないらしい。
これは……確定で入学させられる?
まさかおっさんが教育大臣だったなんて。
確定とはまだ言えないが確実に言えるのはおっさんは教育大臣くらいの権力を持っているのだろう。僕は明日に備えて寝るとしよう。
そう思いお会計を済ませると指定された部屋に行き寝た……
───その頃アポロ帝国では
「貴殿のお嬢様はアース魔法学校に入学なされるのですね」
一人の小太りの男はそう言うとニヤッと笑った。
「それがどうした?もうお前の息子とリンズとの婚姻の話は聞き飽きた。やめてくれ」
ため息を吐きワインをゆっくりと飲んだ。
小太りの男は困った顔をしながら眉を触る。
そして男は言った。
「うちの息子も魔法学校に通わせるのですが」
そう言いながら男はニヤニヤとしてワインを飲んだ。小太りの男はワインを飲み終えた後に一つ提案をしてきた。
「実は、あの伝説級の獣人族であるライトウルフがアース魔法学校に入学するらしい」
その言葉を聞いた男は黙り込んだ。
そして『ライトウルフ』とぼそっと呟いた。
「どうやら、アース王国教育大臣はライトウルフを入学させ卒業させた後に我が帝国の軍人にさせたいらしい。そして彼らの要求は2兆アポロンの金銭取引。この件を君に一任して貰いたいがどうかね?」
───なるほど。私はこの件を引き受け……
第四話.お嬢様と魔法学園②END
転生ウルフの異世界ライフ〜高校生の僕は狼になってしまいました!〜 Kくん @Fuji_K
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