4作目:毒使い
タイトル :毒使い
キャッチコピー:妖魔を屠り、幾百の命を消し去る、凄腕の毒使い――その意外な内面と半生
著者 :キタノユ様
https://kakuyomu.jp/works/16818093073803220653
○はじめに
あくまでも個人的な感想です。
※1万文字まで読むという本企画の規定に則り、読んだのは『ep.0 第一部 序』~『ep.2 弟子志願(3)』途中までになります。
○タイトルについて
良い悪いは別として『潔い』なと思います。
正直、カクヨム(Web小説)としては、こういうタイトルは損なんです。
どういう話か全く想像が出来ないから、表紙すら見てもらえない可能性が高いので。
一方で、作者様のこだわりを感じるので、『悪い』とは言えない。
なので『潔い』としか言い様がないなと。
○キャッチコピーについて
タイトルでどういう話か分からない以上、こちらが勝負になります。
まず「妖魔」とあるのでファンタジーだということが分かります。
「幾百の命を消し去る」という部分で、「おお?」っとなり、「意外な内面と半生」が知りたくなるという仕掛けですね。
読者の目を引く、よいキャッチコピーではないでしょうか。
○あらすじについて
どういう内容なのか、過不足なくわかりやすく記載されています。
基本に則った読みやすいあらすじだなと思いました。
>チート無し、転生無し、ハーレム無し、なライト文芸よりの作品です。
とのことですので、こちらもそのつもりで読ませていただきます。
○冒頭(1行目)について
>その日、たった一人の手によって、幾百の命が消えた。
インパクトある1行ではじまります。
読者としては「おお!?」と感じるつかみです。
○「ep.0 第一部 序」について
前回、第0話から始まるなんて珍しいなんてかいたら、さっそくep.0から始まる作品がきちゃいました(汗)
僕が知らないだけで、0話から始まる小説って結構あるんでしょうか。
毒使いの活躍と残酷さ、仕事の丁重さが描かれています。
やっていることは全然違うのですが、ゴルゴ13的なかっこよさを感じました。
毒使いが1話のうちにしっかり描かれているので、やはりタイトルはこれで正解なのだろうなと思います。
○1万文字読んでの感想(全体)
最初に「めちゃくちゃ面白かった」ということを書かせていただきます。
青が藍鬼の弟子になるまでが丁重に描かれています。
あらすじを読む限り、主人公は青の方だと思いますが、藍鬼も師匠としてカッコ良く描かれていますね。
ep.0で毒使いの残酷さが表現された一方で、藍鬼の子どもへの優しさがしっかり描かれています。
キャラクターのギャップを上手く演出しているなと思います。
一方、青は5歳前後としては利発で、頑張り屋でしっかり者という、好感が持てる主人公です。
いわゆる「孤児物語」に相当する展開なのですが、彼の成長を見守りたいと強く感じました。
○1万文字読んでの感想(文章)
和風ファンタジーにふさわしい文体、文言、単語が選ばれています。
1文節ごとにこだわって書かれているのが伝わってきて好感を覚えました。
また、描写がとても丁寧で、読んでいて情景がしっかり浮かび上がってきます。
読みにくさを感じることは特にありませんでした。
その上で、作品にあった表現が選ばれており、素晴らしいと思います。
○最後に
色々書きましたが、端的に感想を書くなら「面白い!」の一言です。
いや、本当に。
読んだのはほんの序盤だけなのですが、藍鬼と青というキャラにめちゃくちゃ引かれました。
続きを読みたいと思ったし、皆様にもお勧めしたい作品です。
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