第2話 孤独を拒むほど孤独になる
孤独が怖いと思う気持ちは、誰しも少なからず持っている。それは本能だ。人間は社会的な動物であり、仲間とのつながりの中で安全を感じるようにできている。けれど、この「孤独を恐れる感情」が、かえって孤独感を深めてしまうことがある。私はその罠に、ずっとハマっていた。
たとえば誰かと話すとき、私の頭の中ではこんな考えが渦巻いていた。
「今の発言、変じゃなかった?」
「もし相手が私を嫌っていたらどうしよう?」
「何か悪いことを言ってしまったかもしれない……」
そんな不安を抱えたまま、人と接するのはしんどい。だから気づかないうちに、私は人との接触を避けるようになっていった。誘いを断る理由を探し、自分だけの安心できる空間にこもる。それが一番楽な選択に思えた。
でも、そこで待っていたのは、より強い孤独感だった。
誰とも話さずに一人で過ごす時間は、確かに一時的な安心をもたらす。けれど、その静けさの中で私は気づいてしまう。「誰も私を必要としていないかもしれない」という思いが、心の奥底から湧き上がってくるのだ。
孤独を恐れて逃げた結果、さらに深い孤独の穴に落ちる――皮肉なことだと思う。でも、この経験を通じて私は気づいた。孤独から逃げるほど、孤独は私を追いかけてくる。だからこそ、一度立ち止まって「孤独」と真正面から向き合う必要があるのではないだろうか。
向き合うとはどういうことか?
それは、まず孤独を「否定しない」ことから始まる。「寂しい」という気持ちを責めず、「そう感じている自分がいるんだな」と受け止める。逃げずにその感情を抱えてみることで、孤独は少しずつ「ただそこにあるもの」に変わる。
孤独から逃げるのではなく、孤独と共存する道を探す。それは決して簡単なことではないけれど、それを試みる価値はあると思う。次回は、孤独を受け入れるための具体的なステップについて考えてみたい。
今あなたは、孤独を恐れて逃げていないだろうか? それとも、逃げるのをやめる準備ができているだろうか。
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