(劇場版)恐怖!むち♡むち♡オットセイ化ダンジョン―――生魚の臭いは愛―――~なけなしのダンジョンポイントで、オットセイ化ビーム装置を買ってしまった。ふつうにダンジョンマスターしたかっただけなのに~

水森つかさ

劇場版ーー恐怖!むち♡むち♡オットセイ化ダンジョンーー

僕は目覚めると知らない洞窟にいた。

僕を見おろす態勢で、彼女―――ダンジョンコアと名乗る知的生命体―――は立っていた。


アザラシのように魅力的なかわいらしい瞳、セイウチの牙をミニマムにしたようなくちびるから少し伸びた八重歯、グレーのアシカを思わせるウルフカットの髪。

人間の見た目をしているけれど、人間ではないと直感的に思った。


「私はダンジョンコア。君をこちらの世界へ召喚させてもらった」彼女は言った。


彼女の後ろを人間よりも大きなオコジョの群れが走っていった。

僕は、その非現実的な光景をみて、不本意ながらもここは異世界だと思った。


「悪いけどさ、地球に戻してくれないか?」


「それは無理だ。

君に私のダンジョン指揮権を委譲する。このダンジョンを10階層まで成長させてほしい。将来の帰還の際には報酬もつけることを約束する」


「了解……って返事するしかないんだろ」


こうして僕はダンジョンマスターになった。






ダンジョンコアの彼女に、名前はなかった。そのため僕は彼女をジョン子と呼ぶことにした。


「今、DPはいくらあるんだ」僕は言った。


「ふっふっふ、200ポイントあるよ。数体程度なら強力なモンスターを呼べる。好きに使いたまえよ!」ジョン子は言った。


僕は「ステータスオープン」と言ってみる。空中にタブレットサイズのスクリーンが出現した。


異世界新生活応援セットの代名詞、ステータス確認は無事できた。

僕は、空中に浮かぶタブレットの画面を確認しながらDPの使い道を考える。

集中しすぎた、それがいけなかった。

ジョン子はタブレットに触り始めた。そしてお気軽にタップした。


「これは絶対につかえるよぉ、マスター!私の直感が囁いているから購入した」


ジョン子は満面の笑みで、僕に向けていった。


「160ポイント使って、『オットセイ化ビーム装置』を買ったのさ、マスター。なんと今ならライフル2本もついてくる!」


「『オットセイ化ビーム装置』買ってんじゃねーよ!そもそもオットセイ化ビームってなんなんだああああ!!!」僕は叫んだ。


ダンジョンの魔力が具現化して、2本のライフルが突如、テーブルに出現した。

僕は脱力感で、椅子から滑り落ちそうになった。




その時、僕は怪我をしていないのに、全身にするどい痛みが襲ってきた。


ジョン子も同じ感覚を覚えたらしい。さっきまでのハイテンションはどこかへ消え、瞳を思い切り開いて、額には脂汗を流している。



「マスター、ダンジョン狩りだ……」ジョン子は言った。









3人組のパーティーは、ダンジョンを進む。


美男子エルフのヒーラー。ゴージャスな装備をしたお嬢様の女剣士。なまいきな魔法使い、という構成だ。


エルフ族の男は、壁に埋まったコアを見つけ、短剣を振り下ろした。コアは割れて、かけらが地面に散らばった。


「1階層は制圧完了です」エルフは言った。


「ダンジョン狩りって、意外と簡単なのですね」お嬢様は言った。


「簡単もなにも、この初心者向けダンジョンに、Sクラス魔術師のボク様と公爵家筆頭ヒーラーのエルフ君、そして上級クラスの腕前はある令嬢。過剰戦力だよ」ボクっ娘魔法使いは、あくびをしながら言った。


「それでいいのだ。

お嬢様には、ダンジョン狩りを体験して満足してもらう。そして冒険者ごっこは終わりにしてもらうのだ」エルフは言った。


そのままパーティーは順調にダンジョンを攻略する。


2階層には討伐難易度の高いゴーレムが3体いた。


「ソイル・ゴーレムですわね。中級冒険者たちでも油断をすればやられてしまうとか……」お嬢様は言った。


ボクっ娘魔法使いは呪文を唱え、杖を振る。杖の先端から水の竜巻が生まれ、3体のゴーレムを破壊した。


「強力な水魔法を3つ同時に操作。すっごいですわね……さすがS級」お嬢様は言った。


「さすがボク様、今日も最強」彼はあざとくピースしながら言った。


そしてラストフロアである3階層へ向かう。









ダンジョン狩り。それはダンジョンの天敵だ。


普通の冒険者は、ダンジョンで素材や財宝を手に入れて帰還する。一方、ダンジョン狩りは違う。ダンジョンの破壊を目的としている。


さっき感じた痛みは、各階層に設置してあるサブダンジョンコアを破壊されたからだ。


「サブコアの破壊は、ダンジョンに対する宣戦布告さ」ジョン子は言った。


僕とジョン子は相談して、中型ゴーレムを3体召喚した。


「礼儀を守らない冒険者には痛い目にあってもらわないとねえ……痛いっ!!」


ジョン子は両手で胸を抑えている。脂汗を流す。僕も呼吸がするのも苦しくなり、動悸がする。壁にもたれかかる。

しばらくすると不愉快な症状はやっとおさまった。


「2階層のサブコアも破壊された」僕は言った。


「ゴーレムは何をしているのさ!」ジョン子は言った。


「一瞬で破壊されたみたいだ」僕は監視モニターを見ながら言った。


ジョン子はまだ痛みに苦しみながら、困惑の表情を浮かべていた。


僕とジョン子は顔を見合わせた。


「こんな腕前の冒険者たちなんて、高レベルダンジョンにしか集まらないはずだ。これは反則だよ!

助けてくれえ、マスター君!」


「そうだな……切腹しよう!」」僕は言った。






扉のむこうから靴音が近づいてきた。冒険者たちは、足音を消す必要すら感じていないようだった。


僕は急いでタブレット取り出し、お目当てのモンスターを探し、召喚した。彼らは他のダンジョンからは不人気なようで、捨て値で召喚できる。


身体は3メートルほどの巨体。筋骨隆々、腰には短刀をさしている。そんな男女が大勢であらわれた。


「ええーっ!こんな強そうなモンスターいたのかい?」ジョン子は言った。


「ご召喚にあずかり、まっこと光栄です」


召喚されたモンスターの一人は、礼儀正しく僕とジョン子にお礼を述べた。


「皆様への挨拶も終わりましたので、それでは……」


彼らは、一斉に刀を抜いた。


「待ってください!晴れ舞台を用意してありますから」僕は言った。


彼らは僕の呼びかけに対して、しぶしぶ刀をおさめる。


「久々の召喚に浮かれており、申し訳ありません。ここはけじめとして、私が腹を切って責任を取ります!」リーダーらしき大男は言った。


「待て待て、合図があるまで切腹禁止!」


切腹禁止って人生で初めて使った。


「……こいつらは一体なんのモンスターなのさ」ジョン子は言った。


「”切腹くん”だ。説明によると、彼らは切腹を至高の行為と考えている種族だ」僕は言った。


「なんだいそれは。痛いの大好きなのか?」


「鍛え抜いた身体も、切腹のときに美しく見せるためらしい……」


切腹くんたちは、早く腹をきりたくて、うずうずしているのが僕から見てもよく分かった。

彼らは今回はどのフォームで切腹するか雑談していた。ひとりは、試し切りと称して切腹してしまった。


冒険者たち、はやく来てくれ。僕はそう思った。







パーティーは階段を降りていく。


「3階層にモンスターが出現した。複数で、それなりに魔力もあるね」ボクっ娘は言った。


「お嬢様、ここは引き返しましょう。さきほどのゴーレムといい、低レベルでも、その本質はダンジョンです。自らが破壊されるとなれば、己の器量を超えてでも高レベルなモンスターを召喚してきます。危険です」エルフは言った。


「ダンジョンを攻略する以上、最初から分かっていたことじゃありませんの」お嬢様は言った。


「まあ、いけるっしょ。範囲攻撃魔法で、殲滅すればいいんでしょ?

階段を降りる間にチャージしておくから、フロアに入った瞬間にぶっ放せば、相手は即全滅さ。ああ、ボク様ってなんて賢くて、強いんだろう」ボクっ娘は言った。


エルフとしても、このダンジョンにS級魔術師の範囲攻撃を耐えるモンスターがいるとは思えない。

彼ほどの実力者の魔法ならモンスターをなぎ倒して、そのままダンジョンコアすら破壊するだろう。


それならお嬢様に危険は及ばない、とエルフは判断した。


「……それではラストフロアに参りましょう」エルフは言った。


「さすがじいや!」お嬢様は、明るい顔になって言った。


「お嬢様、私はじいではありませんっ!エルフ基準では若者です」エルフは言った。



階段を降りると扉があった。石造りの分厚い扉であった。

トラップの可能性を考えたボクっ娘は、フロア内部を確認してから範囲攻撃魔法を撃つことした。


「ボク様が、最初に行く!」


扉を開き、ボクっ娘はお嬢様たちを攻撃に巻き込まないよう前に出た。

すでに魔力のチャージは終わっている。あとは杖を振り下ろすだけ。


「「「!!!」」」


3人はその先に広がる光景に、動きをとめた。


なにもない洞窟に、大勢の巨人が行儀よく座っていた。そして3人の姿を認めると、彼ら彼女たちはにっこり笑った。

彼らは折り目のきっちりついた清潔感のある衣服を身にまとっていた。

巨人たちは上半身の服を素早く脱ぐと、剣を抜いた。そして迷いなく腹に剣をつきさした。


あたり一面は真っ赤になり、鉄の匂いが漂う。


「冒険者殿、このような場を設けていただき感謝する!!」リーダーらしき巨人は、痛みに耐えながら、グリっと突き出した目で冒険者たちを射抜きながら言った。


全部で5秒ほどの時間だった。


我にかえったボクっ娘は、範囲攻撃魔法を発動しようと杖を振り下ろし始めた。


それは遅かった。


巨人の影から飛び出した人影。その人影の構えたライフルから放たれたビームは、ボクっ娘の利き腕である右腕を貫いた。その影響で、範囲攻撃魔法の発動に失敗した。


「撤退だ!ボク様はしんがりをする。君たちは、そのまま2階層にあがれ!」ボクっ娘は言った。


「私がいることを忘れてもらっては困るなあ」


さきほどの人影とは反対側に、白衣を来た女が現れた。彼女もライフルを持っていた。階段を登ろうとするエルフとお嬢様に向かって、ライフルを撃った。逃げ場はない。ビームは2人に命中した。


「こんな雑魚ダンジョンに、ボク様が……ハメられるなんて……」


ボクっ娘は自分の身体に違和感を感じる。腕が短くなりはじめている。それに身体が重たい。


倦怠感に襲われ、ボクっ娘は倒れた。





ダンジョン3階層。


僕の目の前には、3人の冒険者たちが転がっていた。


「ボク様に何をしたのさ!」ボクっ娘魔術師は言った。


彼の胴体は人間のままだった。ただし腕は短くなって、両手はヒレになっていた。下半身は完全にオットセイ化しており、ムチムチだ。そこにオットセイ特有のびっしりと密度の濃い体毛が生えていた。水をはじくだけでなく、体温を維持するための自然の知恵だ。


エルフとお嬢様のふたりも同じ状況で、床に転がっていた。エルフは僕とジョン子を恨めしげに睨みつけた。


お嬢様は、どうにかならないかと左右に身体を動かしていた。


「なんかマスコットみたいで可愛いよな……」僕は言った。


「奇遇だね。私も同じことを考えていた」ジョン子は言った。


僕とジョン子は、初めてのダンジョン防衛の興奮もないまぜになって、この3人(3匹)の冒険者たちに愛着がわきはじめていた。


僕とジョン子は相談のうえ、彼女たちに逃げるチャンスを与えることにした。


僕は3人の目の前に立つ。横にジョン子も並ぶ。

3人はじっと僕たちを見つめた。


「チャンスを与える!これからの5分間『オウッ』と言わなければ君たちをダンジョンから解放する!」僕は言った。


「……ほんとですの!」お嬢様は言った。


「約束しよう。君たちに一切暴力をふるうことはない。それにダンジョンから出たなら、オットセイ化は解除される」ジョン子は言った。


「5分間『オウッ』と言わないだけ?条件が甘すぎる。なにか裏があるよ」ボクっ娘は言った。


「……しかし、提案を受け入れるしかないだろうさ」エルフは言った。


「よく分かりませんでしたけど、わたくしは絶対『オウッ』なんて言いませんわ!」お嬢様は言った。


「はい、それじゃ今からタイム測定スタート」そう言うと、ジョン子はストップウォッチのボタンを押した。


僕とジョン子はライフルを取り出す。


「暴力はふるわないって言ったじゃん!」ボクっ娘は言った。


「安心しろ。このビームの攻撃力はゼロだ」僕は言った。


僕はボクっ娘魔術師の腹部に銃口を向けて、引き金を引いた。ビームは腹部に命中し、消えた。

それから数秒して、ボクっ娘魔術師は身体の異変を訴え始めた。


「ああっ!ボク様の鍛え抜いた腹筋が、脂肪混じりのムチムチの身体になってる!それに毛がいっぱい生えてきたじゃん!ムダ毛処理の努力がダメになるの!

むちっ♡、むちっ♡、って寒さに耐えられる脂肪がどんどんついていくの気持ち良すぎりゅ♡」


そんな調子で、他のふたりにもビームを浴びせていく。


―――4分30秒後―――


「もうすぐ約束の時間だ」僕は言った。


「ふううう、ふううう!耐えましたよ、わたくし。この卑劣なビームに」お嬢様は言った。


彼女は何度もビームを浴びて、顔以外すっかりオットセイ化している。ただし顔には立派なヒゲが伸びている。


他のふたりも一緒だ。エルフには白色、ボクっ娘魔術師には黒色のひげが生えている。身体は、それぞれ黒っぽかったり、グレーの美しい毛皮に覆われ、冬の寒さに耐えられるムチムチの脂肪が腹回りにしっかりついている。自然の生み出した芸術だ。


「『オウッ』って言ってくれたら、これあげるんだけどな」


僕は彼女の鼻先に、ダンジョンの海フロアで穫れるダンジョンアジを置いた。銀色のうろこは、ダンジョンの自然光に反射して輝いている。


「なまぐっさ♡すうーすうー♡くん!くん!はあっ♡はあっ♡

何ですの、この魅力的な香りは。こんなの嗅がされたらわたくし……」


オットセイの主食は魚介類だ。


「『オウッ』って言ってくれたら食べていいよ」


「オウッ♡オウッ♡オウッ♡

言いますわ、何回でも言ってあげますの!

オウッ♡オウッ♡オウッ♡

これは決して欲望に負けたわけではありませんわ。他のふたりが欲望に負けないようにわたくしが犠牲になるだけですの!

オウッ♡オウッ♡オウッ♡」


「それじゃ食べていいいよ」僕は言った。


彼女は待ってましたとばかりに魚に飛びつく。


「むほぉ♡お゛お゛お゛お゛お゛……うまみ来るっ!濃厚たっぷりうまみの白身魚来るのお゛お゛お゛♡

ビタミンB群は、からだにもよしゅぎるう゛う゛う゛♡♡♡

もう冒険とかどうでもいいにょお゛お゛お♡♡♡


なまぐっさ♡なんども嗅いでしまいましゅのぉ♡

濃厚なうまみで脳みそとけちゃう♡


馬鹿に、いや、アジに含まれる脂質であるドコサヘキサエン酸のおかげで賢くなっちゃうのお゛お゛お゛お゛♡♡♡

IQ上昇してるのわかりゅ♡いま一尾ごっくんしたからIQ300突破したの理解りゅ!」


残りの2人もすぐに陥落した。


大量に魚介類を食べる3匹を見ながら、僕はジョン子に言った。


「逃がすか……」


「そうだね。食費が……」ジョン子は答えた。






それから3ヶ月が過ぎた。

結論から言えば、僕とジョン子は死にかけていた。


オットセイ化の解けたお嬢様たちは怒り狂い、エルフの特殊部隊を雇ってダンジョンに侵攻した。

エルフの兵士たちは、3階層へ続く階段へなだれ込んだ。


ジョン子は恐怖のためか、震えて白衣にくるまっていた。

認めたくないけれど、もう無理だ。僕たちの冒険は終わりだ。


モニターには各種警告マークが点滅しており、部屋にはアラームが鳴り響いていた。


僕はコーヒーを淹れた。

警告音をオフにして、ジョン子と2人でゆっくりコーヒーを飲む。無糖なのにしょっぱかった。


ダンジョンルームの扉がひらいた。


「エルフ国より、精鋭300人参上いたしました」


長身のエルフの女性が部屋に入ってきた。立派な白銀の鎧を着用していた。手練れだと分かった。


「せめてコーヒーを飲み終えるまで待ってくれないか?最後の一服を邪魔するほど、無粋じゃないだろう?」僕は言った。


「私たちは援軍に来たのです。

申し遅れました。私はエルフ女王近衛隊司令官カクジーン・イハセツと申します」


ヘルムをとった彼女を見て僕は、神話から飛び出してきたような神々しい女性という印象を受けた。

次の瞬間、彼女は先程までの神々しさを備えたまま、正直に言うと下品に、唾液の音をたてながら「私も女王様も、先日の動画めっちゃ楽しみました」と言った。


「先日の動画?」


「3ヶ月前に配信したあのオットセイ化動画ですよ……常に無表情の我が国の男が『オウッ♡オウッ♡』と情けなく声をあげるのにどうしようもなく興奮……いや、勉強させていただきました」


彼女は頬を赤らめながら、その魅力を早口でしゃべった。


僕も知らなかったが、このダンジョンの監視モニターは配信モードONになっているらしい。

配信モードONということは、あのときの攻防は世界中に流れたということだ。


僕は映像がどういう層にウケたのか、深く考えないことにした。






僕は、エルフの変態将軍カクジーンとその部下たちにオットセイ化ライフルを渡した。


カクジーン将軍自ら先陣に立つ。彼女の構えた銃口の先には、エルフの敵兵士がいる。任務を遂行していく、無表情なプロフェッショナルたちだ。


彼女は戦士の目で、標的を定め引き金を引いた。彼女に続いて部下たちもライフルを撃つ。


「ふふふ……最高です!何百年と研鑽を積み、まるで美術品のように磨き上げられたエルフのシックスパックが、ムチィ!ムチィ!って音を鳴らしそうなほど、ムチムチ♡ってなっていくのは!

もっと!もっと!可愛らしく『オウッ♡オウッ♡』て鳴きなさい!

撃つのをやめて欲しいのかしら?ならもっと媚びるようにムチムチしなさい!」カクジーンはよだれを垂らしながら言った。


ダンジョンの空間は、「オウッ♡オウッ♡」という鳴き声と「ムチッ♡ムチッ♡」という腹の肉のこすれる音だけが反響していた。


僕とジョン子は自分たちの招いた事態に恐怖した。


こうして、恐怖!むち♡むち♡オットセイ化ダンジョンは始まった。

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