第7話 兄弟 vs 狩猟者
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「大丈夫ですか!ランスさん!」
そんな声が聞こえた。
「なんとか...大丈夫、です!」
私は腹の底から声を振り絞った。
期待に応えなければ。日向さんの...パイク兄さんの...!
私は兄の肩を借りながら立ち上がる。
「兄さん...あいつは?」
「わからん。だが、相当強い。パワーは俺たちとは比にならないくらいに強かった。」
すると、さっき攻撃してきたワーウルフが私たちに近づく。
「なんや、さっきので終わったかと思うっとったがまだ生きとるんか。」
「はぁ、、はぁ、、、あなたは...?」
「まぁこの姿じゃわからんよなぁ。俺はクロスだ。」
「クロス...さん...。」
確か彼は狩猟を得意としていたはずだ。
「あなたも、ワーウルフだったんですね。」
「すまんのぉ。だが、これも生きるためやねん。お前さんら人間も、動物を殺し、食べ、命をつないちょる。俺らの行動もそれとなんら変わりはない。」
「確かに...そう考えると妥当...ですね。」
まともな思考ができない...。立ってるのでやっとだ。
「で、どうする。このまま俺に殺されるか?それとも...」
「...!」
その言葉を敵である者に言わせるわけにはいかなかった。
だから私は叫ぶ。
「抗うに、決まってるでしょうよ!」
腕から血がとめどなくあふれ出ていることも忘れ、私は再度、槍を強く握りしめるのだった。
『ビリッ』
私は服の裾を破り、先ほど負傷した腕を縛った。
「大丈夫か?」
兄に心配される。
「えぇ、今は、なんとか。」
だが、先ほどのようには動けない。
「兄さん、どうしますか?」
「どうするっつったって倒すしかないだろ。」
「けど...」
私達にはなにか策があるわけでもない。そのため勝てるビジョンというのが見えなかった。
「けどなぁ、今更逃げられねぇし。」
周りを見渡すと、クロスさんと私達を囲むようにワーウルフが円陣を組んでいた。
「今ここで倒すしかない、と。」
「とりあえず、叩くぞ!」
「はい!」
そして私たちは彼、クロスを睨んだ。
「話し合いは終わりか?」
「えぇ、すみませんね」
クロスさんは鉈をいじりながらしゃべる。
「ほな、始めるか。」
そして私たちはクロスさんと武器をまじえるのだった。
転生したけど定番の案内役とか誰もいなかったので好き放題することにしました テルン @_tellnrn_
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