第4話
誰もいないあばら家で一体の鎧姿が何やら没頭していた。
目の前には中年の女が膝を屈している。男の前でうごうごと、苦しそうに加えているのであろうか。
「ヒヒヒ、そうだちゅぱちゅぱすうんだぞう」
卑劣な笑いを浮かべるのがここ最近の彼の唯一の娯楽である。終わらぬ邪教徒狩り。うんざりする程悲鳴を聞きながら、死んだ心で拷問を行う毎日。全てが褪せた彼には、教会に隠れて体罰を与える事でしか己を癒せなくなったのである。
遊びという体罰が一段階上がった。
目の前の女が顎が外れそうな悲鳴を上げたのだ。
彼にはこれが絶頂しそうな程嬉しかった。教会から与えられた審問の鎧の新たな有効活用である。
声が絶えた。いつも女は気絶する。つまらなくなる最後の前触れだ。
水を掛けて意識を取りもどさせると、再び異物を大きくする。女は飛び出さんばかりの目を見張って、頭を動かした。
「はい、ダーメ。頭がパーン!」
しばらくすると、きれいな朱水が鎧に掛かった。真っ赤に染まった一物を見て、彼は興奮とともに終わってしまった事への空虚感が悲しかった。
別に良いのである。この巨大化した一物で新たな狩りに興じるのだ。
小さい時は拷問となり、大きくなれば人を嬲れる鈍器。最低な鎧だが、見方を変えれば素晴らしい道具である。
「楽しめて良かったな」
背後の声に振り向いた。眼界には肩と腰が肥大化した鎧が、こちらを見てせせら笑っていた。
「ガキみたいに楽しめてるな。あんたの梨」
ガイストは持て囃した。普段は股間に取り付けられ、取り外すと周りの水気を吸って想像以上に巨大化する苦悶の梨の使い手である。
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