第3話 バズった

この世に生を受けて15年が経った。

前世との違いに戸惑いながら、そして新しい性を楽しみながら生きてきた。


この世界にも前世と同様にSNSがある。女というだけで、フォロワーが増えるし、それが前世基準で普通の顔というだけで100万以上のフォロワーが集まる。


つまりある程度成熟した肉体の私ならどうか。

裸のまま脱衣所の前で少しポーズを取った。


鏡に映る姿は……。


どんな男も虜にするだろう絶世の美少女である私が立っていた。輝くブロンドのストレートな髪に珍しいブルーパープルの大きな美しい瞳、すらっとした手足に豊かな胸と細い腰。前世基準で考えてもこの容姿の女は存在しなかった。

美容レベルが大幅に下落しているこの世界では、私の存在そのものが戦争の火種になるだろうと思った……少し大袈裟化かな。

でも、これほどの美少女は見たことが無かった。


写真を撮ろうと思ったが、服がベッドの上にあり複数の女の子が寝ているので、またあとで撮ろうかなと思った。


「何撮りますかね……。無難に自撮りでしょうか……服は……制服が良いですかね?マニア受けしそうですし」


制服のスカートの丈もこの世界は長いのだ。男を魅了する必要性が圧倒的に下がったのが大きな要因だろうなと思った。その中で私は膝上10cmくらいの長さにしていた。少し短い方が可愛いという前世の知識が染みついているからだ。


「決まりました!顔の自撮りと鏡に映った制服の全身姿の二枚を今夜投稿しますか!」


****



「ヤバいです、ヤバすぎます。華、これどうしましょう?」


私は最近一緒に寝る機械が多い華に相談を持ち掛けた。


「えーそれって彩の自業自得じゃん。彩の顔をネットにアップしたら、そりゃバズるよ」


私のアカウントのフォロワーが既に1000万を超えていたのだ。

精々10万くらいかなと思っていたが甘かった。

この世界の男は私の想像を超えるほどに女に飢えているのだ。

今も私に対してセクハラ発言が止まらないし、逆に応援コメントも多かった。そして日本だけでなく海外からのコメントも沢山きていた。


「二枚の写真でこんなことになるとは……。ですが、これは私が配信の宣伝をするチャンスです」


「配信?それって15歳になったらやりたいって言ってたこと?」


「そうですよ。覚えていたんですね!私は配信で人々に笑顔を届けるんだ!」


「そっかー、彩が配信者か!既に有名人だけど更に有名になるだろうなぁ!」

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男女比100:1の世界に転生した”私”の物語 @sige02

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