第3話 キャラとイベント序章と対策
ーーーと思っていた時もあった。
しかし、一目ぼれで許されているのには理由があった。
その名も「お妃教育」があるからである。
これによって私は、高度なマナー教育などを受けることになったが、これがなかなかにきつい。ただ、数学などに関しては、元の世界のほうがよっほど高度だった。
歴史や法律以外は学ばなくてもいける。
おかげで、「歴代最高の才女」なんて呼ばれた。やったぜ。
さらに、メイドに優しくしたり、恋愛漫画オタクの王妃様の懐に入り込んだり、マナー教育を投げ出さなかったりなどの努力により「完璧な令嬢」と呼ばれるようになった。
これにより、婚約破棄しにくくなる&冤罪をかぶせられたときに庇ってもらいやすくなったのだ。
私は、キャラ作りにも徹底した。
そのキャラを表すなら、「清く正しい完璧な令嬢」。
誰にも悪女とは呼ばせない。
ーーー13歳になり「清く正しい完璧な令嬢」の演技を貫いていたところ、あの王子から「教会に行ってみたいからこっそりついてきて。」と言われた。なぜ行きたいのかというと夢で女神に来てほしいと告げられたそうな。
正式に行けよ。
なぜこっそり行くんだ。
下手したら暗殺されるぞ。
王子曰く、「教会にいる神父に会ったことがあるけど人を殺すような人には見えなかったし、貴族の人々もアロカリエが思っているよりも穏やかで優しいよ。」と。
演じてんだよ、全員。優しくて無害な人を。騙されるな。
何はともあれ、
まさかのイベント?
絶対ヒロインが教会にいて出会うやつだ。
その時にヒロインが転生者ならば、私をひどいやつに見立ててくる可能性がある。
または、強制力で何かこちらに不利益を生じる可能性がある。
対策しなければ。早急に。
ーーーどんな対策をすべきかというと、王妃様の「影」を付けるのが手っ取り早い。
「影」とは王家につかえる護衛、監視、偵察などをこなす人々である。
要するに、私がひどいことをしていないという事実を証明できればいいのだ。
ただし、ここで重要なのが王子の「影」でなく、王妃様の「影」を使うことである。王子に忠誠を誓っている「影」は王子の利益になることを中心に物事を見る可能性がある。要するに、王子の仲間は王子と同じ思考回路ということだ。
つまり、王妃様の懐に入り込んだ私は王妃様の「影」を付けたほうが有利になることが出来るということなのだ。
そして、「優しくてひどいことなんかしない令嬢」を演じる。
乗り切って見せる。
決意を胸に当日に向けて準備を始めた。
復讐悪役令嬢は演技を捧げる うわぁ@カラス推し @421334213
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