第一章 ただ死を願う-2
もう無理だと俺は悟った。
咽せる咽せる咽せる、止まらない体が熱い。遂に体までストレスにやられてしまったらしい。
多分熱が出たんだろう、面倒なことになった熱だとまともに動けなくなる。状態が悪化したら死にかけまでなるかもしれない。
けど母さんは頼れない、だって救急車を呼ぶ方法さえ覚えていないのだから。記憶が無くなったというか、欠けてしまった部分も多い。
溜息混じりの息を吐き出す。
「めんどくせぇな……」
これだけ苦しんでしまうなら、死んだほうが…
そう思い屋上への階段を上がっていく。
「なぁお前世界を壊したくはないか? なあにお前はただ冷酷な道具として生きて貰えばこっちとしても構わないし嬉しい限りだ。」
と白髪の女は言った。
「アンタ…誰だよ、どうみてもお前学校関係者じゃないだろ」
「あー…説明めんどくさいな。まあ口より見せた方が早いっちゃあ早いわな。来い餓鬼、世界の裏側見せてやるよ」
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「誘拐だ……」
「はぁ?別に学校内だからどちらかと言えば連行だろが区別つけろ」
俺は今"ジュノ"に引っ張られていた。
ジュノは俺を今引っ張っている女の名前で…何も教えてくれない。黙ったままでずっと俺を引きずっている。
「ここかねぇ……」
ジュノが止まったのは俺のクラスの教室だった。
「ジュノ……? お前
「黙って見てろ、お前も運の尽き。どうせ、こうなるんだから」
そう言ってジュノは扉を蹴り飛ばし、懐から銃を出した。
「……っ!?」
あれは贋作じゃない、本当の人を殺せる銃…? いや何でこんなところに銃があってしかも何で銃をジュノは持ってるんだよ……
「これはハンドガン、銃社会でもっともというかかなりの頻度で使われる扱い易い一般的な銃だ。私はこれを主に使うが__殺傷能力はそこまで高いわけではない。という事で使われるのが"魔術"ってわけだ。
強化魔術を付与して攻撃力強化、武器の性能強化を行なってライフル並みの火力を持たせてから軌道に関して。軌道はなるべくたくさんの人を一発の弾丸で殺れるように修正補修を加えて………まああれだソーシャルゲームのスキルによるバフとか効果だと思ってくれて構わないし、そっちの方が現代の若者にはわかり易いかね」
皆がゲームをやってるいるという偏見を持たないでほしい…正直言って俺は一切のゲームをやっていないのにこういう話をされると困る…。まあ理解は出来るけど。
「そんでこれは"魔弾"な。魔力を元々込めてある普通の弾丸より数倍の威力がある人殺し専用の銃弾だ。まあこれ撃ったら一般人なら一発で死ぬだろ、試したことはないが」
唖然とした顔のクラスメイトたちがたくさん。
「貴方…誰ですか。学校関係者じゃないですよね?」
そう言ってジュノの側に寄ってきた担任。
「よし試すのが一番だろ?」
「何……
バンっ!………
鼓膜が破れてしまうような、そんな銃声がすぐそばで鳴った。
衝撃で目を閉じてしまい、目を開けると殺されぐちゃぐちゃにされ血塗れになっていくクラスメイト達、そして動き止まらずどんどん人の心臓を撃ち抜いていく魔弾。
「どうだ?餓鬼」
そんな異常空間でもジュノの笑顔は輝いていた。
死に惑う 杵築 @tukuyomiyu
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