第六章 イダリア王国
「弱みを握るって言ったって何をすればいいんだい?」
「そおだよ
具体的なこと言われなきゃわかんねぇだろ」
「それは傭兵協会が大体は把握している
お前らには王城の地下にある研究施設に潜入してもらう
そうして今、作られているという世界の地理すら変えてしまう兵器の情報を盗んで来い」
「…その情報は正しいのですか」
「あぁ絶対に正しい
情報主が…何というか凄い人だからな」
はぐらかされた
確かに本当であったら重罪とかではすまないだろう
そこまでのリスクは負わせられないのだろう
「まぁ仮に本当だとしてもよぉ
王城なんてどう潜入するんだよ」
「すまないが勇者でも無理だ」
「それは任せてくれ
王国の傭兵に王城に精通している人物がいる
そろそろ来ると思うが…」
そういってかなりの時間がたった
「あークソッ
あいつ完全に忘れてんな
仕方ない、勇者一行ついてこい」
そういうとマスターは協会を出る
とりあえず私たちはついていくことにした
「はぁーい
そうするとぉー何とハトが帽子にワープ」
少し歩いたところにある大きい広場
そこには人だまりができており、その中心には小さな女の人がいた
なにより特徴的なのは顔が全部隠れるほど髪が伸びていること
「ではつぎー
…あれぇー?マスターじゃん
…あ、約束わすれてたぁー
みんなごめんねぇーもう行くわー」
「えー」「もっとみたい!」「お仕事頑張ってね」「またなー」
老若男女いろんな人にそういわれていた
これだけでもかなり人気があるとわかる
「紹介する、シャンドラだ」
「シャンドラでぇーす
普段はぁマジックしてまぁーす」
「こう見えても王族相手にもマジックを披露するほどの腕前だ」
「ほめてもぉーハトぐらいしかでませーん」
帽子から三羽ハトが出てくる
凄い
でも絶対そのサイズの帽子から出ないよね
「それで?この子が王城に精通してるのかい?」
「あぁどういう訳か王族しか知らないようなことも詳しい
なんでか本人に聞いたことがあるんだが」
「わたしぃー王城割とぉ侵入しててぇー」
「だとさ」
怪しい、とても怪しい
「別にぃ方法教えてもぉーいいのですがぁ
正直ほめられたことではなくてですねぇー」
「侵入自体がほめられたことじゃねぇしいいんじゃねぇか?」
「それもそうですねぇー」
あまりよくない開き直り方をしている
なんだろう、突っ込んだ方がいいのかな
でも昔「あなた」に突っ込みしたら『向いてないよ』って言われた
だまっとこ
「まぁーこんなとこで話せるよぉなことでないですしぃー
私の家にでもぉー行きますかぁ」
そうして広場を後にする
「アリスさん、でいいのかな?少し話をしたいのだけど」
シャンドラさんの家に向かう途中、そう勇者に言われる
「ええ、何でしょうか」
「僕らパーティーを組むわけだから何ができるのか教えてほしいんだ」
確かにそれは大切だ
私もお荷物になるわけにはいかない
「私はバフ・デバフを使えます」
「へぇ光の魔術を使えるのか、珍しいね
…今使うことはできるかい?正直どこまで効くのか知りたいんだ」
「分かりました、では…」
「僕ではなくてコウリュウにお願いできるかい?
主に前に出るのは彼だからね」
「流石の勇者様の頼みでも俺はいやだぜ」
「そういわずにさ、信用しているんだよ
もしもの時でもコウリュウが認めたなら安心できるし」
「んじゃあ仕方ねぇか!
よし、来い」
…チョロ
「ではかけますよ」
このコウリュウという人が強くなるようなイメージをしている最中だった
「!おい、止めろ!」
「え?」
急に言われイメージを止める
「コウリュウ、どうした」
「まじぃぞこれ」
「何かあったのか?」
「…ここじゃ話せねぇ
いや正直こいつの近くじゃ話せねぇ」
そう私を指さす
何か問題があったのだろうか
「あの、何か問題が?」
「…いや問題はねぇよ
が俺には使えねぇ
…お前剣使えるだろ、鉄の匂いがかすかにする
バフは自分だけに使って戦え、いいな」
「はい…?」
「まぁなんだ
俺は認めてやるよ」
そうコウリュウが言うと勇者は笑顔になる
「いやぁよかった
一時はどうなるかと思ったよ
アリスさん、これからよろしくね」
「え、えぇありがとう」
色々引っかかるところはあるがとにかく認められた
そう考えれば些細なことか
「さぁー着きましたよぉ」
かなり歩いたところにあったのは小さな民家
正直五人はいるとかなり狭いのでは?というレベルだ
「おじゃまします」
仲も外から見たように狭いところだった
「それではぁ地下に向かいまぁすねー」
「ここは一応傭兵協会が所有している
安心してもらっていい
が久しぶりに訪れたから正直何があるかわからない
だから気を付けてほしい」
マスターの一言で流石に不安になる
「まぁ何かーあっても死にはしませんよぉ」
「俺はもう帰りてぇ」
「奇遇だね、僕もだよ」
「そういうな
ほら、早くいってくれ
俺はもう現役じゃないから耐えれる自信がない」
私たちに壁になれと?
「いいやマスター
ここは未来ある若者を守るべきだ」
「俺に壁になれと?」
「そうだね、君のことは忘れないよ」
「すまねぇマスター…涙が出ちまう」
「おいコラ、お前ら世界救っただろ
マスターである俺一人守れないのか」
「すまない」「わりぃ」
「マジか、おい!」
何やってんだろうと既に地下に降りた私とシャンドラさん
「すみません。急いでもらっていいですか?」
「はよぉしろ」
「「「すみませんでした」」」
そういうと三人は走り出す
「ではぁ王城に入る方法ですねぇ
その前にぃ私の魔術の紹介からぁ
使えるのは風、土の二つでぇす」
「へぇ、お前二つ使えんのかよ」
「珍しいのですか?」
「あぁ魔術が使えるのも少数だけどよぉ二つ持ちは珍しいぜ
まぁ勇者様は全部上級で使えるがな」
凄く得意そうに紹介する、勇者リアクションに困ってるよ
「私もぉ上級ですけどねぇー
その中でもぉかなり器用に使えるらしくてぇー
土で等身サイズの泥人形、風でコーティングと音を
まぁ要するにぃ人間もどきをぉ作れます」
「これを使ってお前らには侵入してもらおう」
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砂塵の望み 気まぐれなリス @risu0726
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