第2話

俺は何とか職員室につくことができた。

「失礼します、転入生の望月鷲斗です。」

「あぁ、話は聞いている、まず、学校長に会ってもらう。すまないが校長室までついてきてくれ」

俺を案内してくれた先生は霜月先生というらしい。俺より身長の大きい黒髪の先生だった。そしてつれてこられたのは、校長室と書かれたプレートのある部屋の前。俺はノックをして扉を開ける。

そこにいたのは、眼鏡をかけ、釣り目ので日本人顔の俺のイメージしていた中年のザ・おっさんではなかったため、驚いて思わず目を見開いてしまった。

「君が転入生の望月君だね、初めまして篠崎学園の学園長をしています、遠海とおのうみ快弥かいやだ、よろしく。」

俺は恐る恐る返事をした。

「よろしく願いします。」

「ところで君はどこまでこの学園について知っている?」

「Ωの監獄で、番たくもない相手と番わされることがある。」

学園長は、ため息の後に篠崎学園について俺に説明してくれた。その説明曰く、確かに番いたくない相手と番うことがある、だが、大抵の場合は、自分の運命の相手と番になることが多いらしい。俺はこの説明を聞いて、やはり帰りたいと思った。

「この島から家にいる兄弟などに連絡はとれるんですか?」

「あぁ、君の兄弟とはその端末でやり取りを行うことができるようになっている、その端末は、連絡以外にも学内の食堂やスーパーなどで使用することができる学内通貨、「レナ」の残高を見たり決済を行ったりすることができる。」

学園内通貨、そんなものがあるのか、慎重に使わないと、兄貴たちと連絡ができるのは大きい、もしかしたら逃亡も可能かもしれない、要相談だが。

「質問はほかにもあるかい?」

「いや。今のところは」

「何かあったら君の持つ端末に入っている、AIに聞くといい。」

この端末にはAIも搭載されているのか、便利だな。

「じゃぁ、失礼しました。」

「あぁ、卒業まで頑張ってくれ。」

そうして校長室を出た俺は、霜月先生に、俺のはいるクラスについて教えてもらった。

「君は、1-3組に入ってもらう、クラスの中は比較的いいほうだから安心していいと思うよ」

安心できるのかよくわからないことを言われたまま。俺は教室へと向かった

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運命がわからない俺は ru-na @kokoneruna

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