『裏』

霧咲 葉夜

第1話 影が染み入る教室

壁抜け。ゲームとかでよくあるバグの一種、たまにコレがRTA走者などにも使われている。

「現実で壁抜け出来たらなぁ。」

「そしたら残ってるのは『虚無』だろうね。」

このやけに話を難しくしようとした奴は下道 三鷹【シタミチ ミチカ】国語は出来るけどなんてったって理数科は壊滅的。将来はオカルトライターになるらしいけど。

ん?あぁ、私の名前?私の名前は蘭 閑雲【ラン カンウン】中国人じゃないよ?純日本人。

「へ、へへへ…か、壁抜けはドット絵のゲームがなくなった今ではあまり良い壁抜けは見つかっていね。なんか3Dのは突っ込んでガーって『深淵』に落ちてく感じで味気ないってかドットのガッガガッっていう音がないとなんかバグ感が無いってかー。ふ、へへへ…」

コイツはバグの研究者…いや、バグオタクか?いろんなゲームのバグを探してはそれをサンプルするほんとの変態だ。あ、名前は佐島 婆愚羅【サジマ バグラ】女子だよ。名前、男っぽいかもしれないけど。

婆愚羅は壁にベッタリと張り付きながらこう言った。

「いや〜、この世界で壁抜けが出来たらもう、興奮してやばいかも…でも、バグっていたら、きっと💧︎◻︎❒︎♏︎♋︎♎︎ ♎︎♏︎♋︎⧫︎♒︎📪︎ ✋︎📪︎ ⧫︎♒︎♏︎ 😐︎♓︎■︎♑︎ □︎♐︎ 💧︎♒︎♋︎♎︎□︎⬥︎⬧︎📪︎ ♎︎♏︎⬧︎♓︎❒︎♏︎ ♓︎⧫︎📬︎と思うな〜!」

「ん?なんて?途中が全く聞こえなかったよ…コレがオタク特有の早口ってヤツ?」

チャイムがなった。いそいそと席に戻った。先生が来て教科書を開いた。

「よーし、じゃあ数学始めるぞー?今回やる範囲は☟︎❍︎❍︎📪︎ ⧫︎♒︎♏︎❒︎♏︎ ⬥︎♏︎❒︎♏︎ 🗏︎🗄︎ ◻︎♏︎□︎◻︎●︎♏︎ ♋︎⬧︎ □︎♐︎♐︎♏︎❒︎♓︎■︎♑︎⬧︎📬︎📬︎📬︎❄︎♒︎♏︎ ♌︎□︎⍓︎🕯︎⬧︎ ⬧︎□︎◆︎●︎ ⬥︎♋︎⬧︎ ♓︎❍︎❍︎♏︎♎︎♓︎♋︎⧫︎♏︎●︎⍓︎ ❒︎♏︎❍︎□︎❖︎♏︎♎︎📬︎ 💧︎♒︎□︎◆︎●︎♎︎ ✋︎ ♑︎♓︎❖︎♏︎ ♌︎♓︎❒︎⧫︎♒︎ ⧫︎□︎ ♋︎ ♑︎♓︎❒︎●︎ ♌︎♏︎♐︎□︎❒︎♏︎ ✋︎ ♑︎♓︎❖︎♏︎ ♌︎♓︎❒︎⧫︎♒︎📬︎📬︎📬︎☟︎♋︎♒︎♋︎♒︎♋︎♒︎♋︎📪︎ ⧫︎♒︎♋︎⧫︎🕯︎⬧︎ ❒︎♏︎♋︎●︎●︎⍓︎ ♓︎■︎⧫︎♏︎❒︎♏︎⬧︎⧫︎♓︎■︎♑︎✏︎ 💧︎♏︎♏︎◻︎ ♓︎■︎⧫︎□︎ ⧫︎♒︎♏︎ ⬧︎♒︎♋︎♎︎□︎⬥︎⬧︎✏︎ 💧︎♒︎□︎⬥︎ ❍︎♏︎ ⍓︎□︎◆︎❒︎ ♐︎♋︎♍︎♏︎ □︎♐︎ ♎︎♏︎⬧︎◻︎♋︎♓︎❒︎ ♋︎■︎♎︎ ●︎□︎■︎♑︎♓︎■︎♑︎ ♐︎□︎❒︎ ●︎♓︎♐︎♏︎✏︎だぞ。コレ、テストに出るからな〜。しっかり復習しろよ。」

(え?なんて?何がなんだって?さっきから耳がおかしい気がする。まずい、視界が黒く染まってくる。あ、まず…)

睡眠とは違う。似てるが違う。コレは…アップデート?分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない。分からないよ…怖い、寒い、視界が…影が震える。無数の手が足を掴む。

「婆愚羅!三鷹!お願い!助けて、誰でも良いよ!返事をして、お願い!」

精神が限界を迎えかけたその時、闇から仮面をつけた女性が現れた。

「やあ、☞︎♓︎■︎♋︎●︎●︎⍓︎📪︎ ⬥︎♏︎🕯︎❖︎♏︎ ♍︎□︎❍︎♏︎ ⧫︎♒︎♓︎⬧︎ ♐︎♋︎❒︎📬︎ 💣︎♋︎⍓︎♌︎♏︎ ♋︎♌︎□︎◆︎⧫︎ ♋︎■︎□︎⧫︎♒︎♏︎❒︎ ❍︎♓︎■︎◆︎⧫︎♏︎✍︎ 💧︎□︎ ⧫︎♒︎♏︎ □︎♐︎♐︎♏︎❒︎♓︎■︎♑︎⬧︎ ♋︎❒︎♏︎ ◻︎❒︎□︎❖︎♓︎♎︎♏︎♎︎📬︎ ☞︎◆︎📪︎ ♒︎♏︎♒︎♏︎📬︎ ☟︎♋︎♒︎♋︎♒︎♋︎♒︎♋︎♒︎♋︎…おい、聞いてるのかい?君がどうやってここに来たかは知らないけど…ここは『バグ』の世界だ。現実の常識は役に立たないし、死が間近にある。今、君は周りが真っ暗だね?それはバグの侵食だね。早く…君も帰った方が良い。侵食が進んで『グリッチ体』にでもなったらこちらが困る。」

仮面の女が淡々と話す。だが、全く意味がわからん!なんだ、なんだ?なんだよ?意味が分からんし、頭痛いし、なんだ?グリッチ体って?

「はぁ、はぁ、もう、ちょ、えーと、そだ!なんか、オタクっぽい奴と、文系っぽい奴見なかった。」

「残念だが、見つけられていない。が、君がこの世界を探索するのならコレを君に授ける。」

そこには狐の仮面と、ショットガンがあった。

「え、コレ…マジの?」

「ああ、本物だ。だがら、取り扱いには気をつけろよ。もし、君の言う友達にコレをぶっ放したら…そこには銃槍だらけの友人が居るぜ?」

「君の名前は?」

「あぁ、私は『バグ取り締まり課、ワールド・エラー専攻』紅 藍【クレナイ アイ】だよ。」

「へぇ、そんな課が警察にあったんだな〜。さて、そろそろ夢から、覚める時だな。ありがと、楽しい夢だった。さ、目覚めるとするか…」

私は目を閉じ、5秒数えた。その内に紅が仮面を被せ、ショットガンを持たせた。

「さ、夢を見ているという夢は終わっただろう?銃を構えて、どっから襲ってくるか分かったもんじゃない…」

突如、甲高い叫び声が聞こえ出した。

「⧫︎♏︎⌧︎⧫︎ ♌︎◆︎♑︎、⧫︎♏︎⌧︎⧫︎ ♌︎◆︎♑︎!」

「見てて、グリッチ体はこう、殺すの!」

そうすると、紅は刀で叩き切った。

「ふぅ、良かった。ここは比較的にバグの濃度が薄いみたい。」

「良い…んですかね?っと、来たぞ、来た!」

「👍︎□︎●︎●︎♋︎◻︎⬧︎♏︎♎︎ ♌︎□︎■︎♎︎⬧︎!」

一息つき、構え、狙う。そして引き金を引くと化け物に弾が喰らいつく。

「…」

「うん、確実に命脈を絶てているな…上々の出来だ。…ここまで扱いが慣れているとは思わなかった。それなら君の友人探しに君も参加出来る。」

「えと、ずっと質問したかった事があるんですけど…」

「なんだい?なんでも言ってくれ。」

「ここって…僕たちの学校に100%似ているんですよ。」



————第二話に続く





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『裏』 霧咲 葉夜 @djpmwt

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