悪役令嬢に絆された結果、主人公がヤベェ奴になりました

全話読ませてもらったうえでのレビューです。
破滅フラグ回避のはずが、乙女ゲームの主人公を攻略してしまうと、悪役令嬢の亜種になりそうな百合小説。
特筆すべきは主人公のリエルだろう。こいつはとにかくヤバい。身分格差で不憫な思いをしているところを救われたとはいえ、令嬢のリリアへの想いが暴走している。リエルが前世のトラウマを克服する要素もあるのだが、正直リリアのパートだけでも十分に面白い。
一番笑ったのは｢乙女ゲームの主人公が同性に興味持つわけない｣というセリフ。絶妙なタイミングで出てくるから｢オイオイ｣となる。
黒幕のゲスな思惑が明かされるまでノンストップで読める、確かな筆力が発揮されている秀作だった。