2-1 「黒き呪血のクレイモア」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892320803
◯タイトル
ダークな雰囲気を猛烈に感じる。本作とは無関係だろうという前提の上で、クレイモアと聞くと同名の漫画がありそれも結構重い作風だった事を思い出す。そのあたりの連想もあってか、このタイトルにはきれいな統一感が見える。頭の中で発音した時の語感も良い。
◯あらすじ
タイトルで感じた空気に違わず、前提が重い!
のだが、対象的な要素を持つ2人の話というのはだいたい読んでいて楽しかった覚えしかない。珍しい手ではないが一つの王道であって、話の盛り上がりが期待できる場が整っている気がする。一瞬前に感じた、かなり重そうなこの前提に耐えられるだろうかという不安を、そんな主人公と真逆の人物が隣にすぐ出てきてくれるなら大丈夫か、と打ち消してくれている。
お互いに救いを求める、と提示された目的は曖昧だが気にならない。話がどんどん回っていく気配が既に感じられているからだろう。
◯書き出し
主人公に迫る追手たちの刃。
面倒な説明もなくわりと短いやり取りの中で相手集団の目的や敵らしい悪事、しつこさと話の通じなさが読み取れて助かる。
そのしつこい追手にもうんざりしていただろうと読んでいたので、戦闘は作業のように無言で斬り捨て続けてほしかった気持ちはあるが、頭から地面までの両断は剣の重さのイメージが得られて楽しい。
◯1話
不死性、呪血と、物語のポイントになる要素が登場人物の言動に従い自然に出てきていて無理なく頭に入ってくる。気がつけば主人公の背景は掴めているようで、抱えている特性のこともあり派手ではないがこの先を見ていたい主人公だと思う。
どうなるか大体分かっていたのに呪血でただれる姿に息を呑むのは意外に感じたが、目の前の人にかけるのはそうそう無いはずがキレて呪血を浴びせた結果じっくりそのザマを見てしまい、うわぁ…ってなったのだろうか。あるいは過去の何かを思い起こしたか。
主人公を精神的に疲れて擦り切れきったものと捉えていたが、まだ残った正気で色々思うところがあるのかもしれない。
◯3話まで
思っていたより魔女に幼さを感じるが、好きな方の意外さ。期待していた通りの活躍が見られて空気も変わり、欲しかったものがあるという安心になる。
主人公のマルグは、最初の想定よりだいぶ感性残ってたなこれ…。そして限界近い精神にしては随分喋れる? やや唐突にも思えるが、これがまともに人間してた頃の素でそこに戻れば素直で饒舌寄りだったのかもしれない。
ずっと望んでいた言葉を聞くのはすごく好きなシーン。だが欲を言えば、それがずっと望んでいた言葉だという事を一歩間接的に引いた表現から読み取りたかった…! この辺の塩梅に万人に対する正解は無いんだけど、凄く良いと思いながらも一歩遅れて超クリティカルに至らず惜しいと思ってしまった。
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