1-3 「毒使い」

https://kakuyomu.jp/works/16818093073803220653


◯タイトル


ランキングで目立つものとは真逆の超シンプルタイトルだ。伝わる情報は少ないが、主題が毒となるとダークな雰囲気は感じる。

本作主人公が毒使いとはまだ確定していないが、過去にそういう設定の物語に触れたことがあるだろうかと考えると、なかなかそれが出てこない。せいぜい味方側に毒使いが一人いる程度だろうか。


◯あらすじ


だいたい前述の印象通りの内容そうではある。ライト文芸としている事からも、派手で華やかな方向では無いと見える。

登場人物と用語紹介が別ページであるのはどうすべきだろうか。とりあえず今回の企画には含まないこととするが、この用語が別ページにするほど多く複雑なのだろうかという点は心配ではある。


◯最序盤


獣に追われて逃げる始まりはよくあるが、描写が丁寧で文章に無駄がなく非常に読みやすい。

最初から個性を剥き出しにするような内容ではないが、文章の地力の高さで夜の森と少年のイメージが滑らかに思い描けるので、気づいたら1話が終わっていた。


◯1話


怒る魔獣という危機を何者かに救われる少年。まだあらすじの範囲だが、予想以上に少年が自力で戦っていて少し驚いた。4つか5つでこれなら、確かに通りすがりで助けた側もとんでもない逸材見つけたなって思うかもしれない。

母は犠牲になってしまったが、これ父が只者じゃなかったりするのだろうか。やや少年漫画に染まった考え方ではあるが。

特に説明らしい説明もなく狩るべき相手等の世界の様子が頭に入ってくる読みやすさは助かる。用語集には警戒したがいらない心配だった。

うぶ毛を焦がすほどの熱、などの共感で理解できる表現は見事。


◯3話まで




丁寧な描写が続き、二人の会話も幼子と面倒見の良い大人の素朴な雰囲気が伝わってくる。そして改めて土壇場の急な呪文を記憶できる青のスペックが高い。

ここまでで3話にはなるが、弟子入りを志願したくなるのが自然と思える関係がもう見えていることにも話の運びの丁寧さを感じる。物語に強烈に目を引く要素があったわけではないが、この流れなら次へ次へと読めていける。企画終了後にまた読みに来るべきか。

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