この世から追放された私~神様として信者を導き無双する~

あのお方

追放

「キサマをこの世から追放する! ブラックホールの養分になるといい!」


バシュッ!!


「やめてくれっ! 死んでしまう!」


あぁ、そんな……やめてくれ……


「ケケケッ! 何を当たり前のことを! ゴミめ!」


なんで……なんでこんなことに……



~~~~


私の名前はタロー。


ニンゲンだ。



私は今、恐竜から進化したトカゲ人、通称レプト人の奴隷として生きている。


レプト人は自分たちが最高の種族であると信じて疑わず、


私達、他種族を迫害し奴隷として扱っている。



殴る蹴る、は当たり前。


最近では、他種族を食べるなんて文化、他種族食もブームになってきた。



外道の極みともいえるレプト人の奴隷として生きている私。


そんな私の耳に、レプト人同士の会話が飛び込んできた。



「なに! 例の偵察基地が攻撃されただと!」


「は、はっ! 例の星の北半球にある山脈、@山脈の基地に、


特殊レーザーによる砲撃があったとのことです!」


「なんだと……あの星で暗躍できると思った矢先にこれだ……」



「工作員はどうなった?」


「全員死亡したものと思われます……」


「なんてことだ……面倒なことになるぞ……」



なんだ? いつも冷静なレプト人が珍しく動揺している……


私は、好奇心に身を任せ壁際まで身を寄せた。



「それで? どこのどいつがやったんだ?」


「ニンゲン勢力の例の親玉です……」


「くっ、あいつらか……俺たちの関与は隠蔽できたな?」


「それに関しては問題ありません!」


「ならいい……」



ニンゲン勢力の親玉……奴隷にならずに戦う人たちがいるのか?


だとすれば、うれしいことだ!


レプト人なんかコテンパンにしてしまえ!


面白いことを知ってしまった!



そう思っていた私は、レプト人の接近に気づけなかった。



「キサマ! そこで何をしている!」


「あっ……」


「盗み聞きをしていたな! 殺してやる!」



殺されたくない!


そのとき私はそれだけを願った。



ガシッ!!



「おっ?」


「落ち着きたまえよ、キミ」


「「あ、あなたは!」」



えっ?


「なぜこのような場所に……」


「騒がしかったからつい……ね。ところで何があったのかな?」


「はっ! この奴隷! ゴミクズが軍事機密を盗み聞きしているのを発見しました!」


「そうかそうか……」



この人は他と違って理性的だ!


そう思った私は……


「殺さないでください、お願いします!」


命乞いをした。


だが……



ボカッ!!



殴られた。


「うるさいゴミだね……キミには死んでもらうよ……だけど」


だけど?


「ここで殺すと汚いからね……宇宙のチリになってもらおうかな」


そ、そんな……


「キミたち……このゴミを脱出ポットに詰めてくれ」


「「了解しました!!」」



い、いやだ……やめてくれ……



「は、離せっ! やめろ!」


そんな私の抵抗もむなしく……



「さて……キミにはブラックホールの養分になってもらうことにしたよ」


脱出ポッドに詰め込まれてしまった。


絶望している私に、偉そうなレプト人はこう言ってきた。


「キミは最後になって役に立てるんだよ?」



「ブラックホールに吸い込まれるゴミのショーを見物したいという人たちがね……


多いんだよ」



「キミの様子は、公共回線で放送されるように設定しておいたからさ……


無様に泣き叫んでくれたまえ」



「他種族のみっともない姿を見るのは気持ちいいね……


そうだ、そういえばキミには妹がいたね?」



妹……まさか!



「何をする気だ! 手を出したらただじゃおかないぞ!」


二ヤけた顔をしやがってっ……この野郎……



「……最近、他種族食が流行っているだろう?」



私は、その一言で絶望の底へと叩き落とされた。


妹が……私のかわいい妹がこんなヤツに……



「ハハハッ! 今、キミいい顔してるよ!


まぁ、安心しなよ? こっちの気分次第だから……さ?」



安心できるわけがあるかよ……っ。



「……そろそろ時間だな……それじゃ、俺たちの楽しみのためにも死んでくれたまえ」


くそっ……くそうっ……



『10、9、8,7、6,5,4,3,2,1,』


『発射!』



「キサマをこの世から追放する! ブラックホールの養分になるといい!」



バシュッ!!



「やめてくれっ! 死んでしまう!」


あぁ、そんな……やめてくれ……


「ケケケッ! 何を当たり前のことを! ゴミめ!」


「脱出ポットのモニターにこちらの様子を転送してやろう!」



ワーワー……


「お母さん……きれいな流れ星だね~」


「あの中にはウス汚い奴隷が乗っているのよ」


「奴隷か~僕、誕生日にほしいな~」


「いいわよ? 買ってあげる」



「フフフ……こうしてたまに開かれる奴隷打ち上げイベント……酒が進むな……」


「ホホホッ……それに加えて、この料理が素晴らしいですわ……シェフ? このお肉は?」


「ニンゲンの腸詰、ソーセージでございます」


「他種族食は素晴らしいですわ~」



「おい! 見てみろよ! このニンゲンの顔! 絶望に染まってるぜ!」


「ガハハ! 前のニンゲンの時よりいい顔してるじゃねぇか!」


「今回の主催者はうまくやってくれたみたいだな!」


「どんな絶望のセリフを聞かせたのやら!」



あぁ……ひどい……ひどすぎる……


ここまで外道ばかりだったなんて……



「さっきよりもっといい顔になってるなぁ! その調子ぃ!」


「フフフッ……より顔が醜くなって面白い、と評判のようですよ?」


「ほら、叫んでみなよ? みんな期待しているよ?」



ひどい、ひどい、ひどいっ!


「くそぉーー!!」



「「「「ワァーー!!」」」」




……あぁ、いつの間にかブラックホールが目の前に……


脱出ポットがきしみ始める。



ピーッ! ピーッ! 危険です! 危険です!



脱出ポットに標準搭載されている人工知能が警告してきた。


だけど、無駄だ。


私が操作できないように制限されている。


そして、もう脱出できない所まで来てやっと……



制限が解除される。



これを考えた人は悪魔だ……


いや……レプト人が悪魔なのだろう……



私が死ぬまで、ずっと苦しめ続ける。




もし……


もしも、チャンスがあるなら復讐したい!


復讐してやりたいっ!


私の同胞、虐げられる他種族も救えるほど!


強くて! かっこよくて! 最高の!


私になりたい!



ピーッ! ピーッ! 危険です! 危険です!


ー制限 が 解除 されましたー



最後まで私はあきらめない!


「人工知能! このピンチから脱出できる方法はないか!?」



―はい―


―非常に低確率ですが、ワープエンジンを暴走させる方法があります―


―成功率は0.1%以下です―


―失敗すれば脱出ポットは爆発四散します―


―実行しますか?―



「実行!!」



ブゥン!


―ワープエンジン起動―


―出力上昇―


―上限突破―


―出力10000%に到達次第、ワープを実行します―


―3―


―2―


―1―


―ワープします―




頼む……っ。



~~~~~~~~


♡と☆が伸びてきたら、つづきを書きます(絶対)


※レビューをしていただけると助かります(*^▽^*)

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