第2話


 それから一年が経った。ついにこのセリフをひなたちゃんに言える日が来た。

「出来たよ、魔法のスプーン。ちゃんとあなたのパパのお墨付きももらったからね」

って。瀬尾さんには苦労をかけて本当に頭が上がらなかった。本当にありがとう。スプーンを手にした彼女は口を開けたてそれを握って舌に当てた。彼女の目から涙があふれ出した。

「はるなー!これが本当のパパの味なんだよ!」

彼女は涙をちらしながらうれしそうにあたしに語りかけた。あたしは彼女の満面の笑みを本当に久しぶりに見て肩をなでおろした。それが彼女本来の本当の笑顔なのです。それを見るまでがあまりにも長く辛い道だった。そして彼女とまた涙を流しながら抱き合った。



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