ジャンカーズ

@anohaseon

ひときわ目立つ、青看板

僕は、外で走り回ったり、ゲームセンターに通ったり、遠くに行ってみたり‥‥みたいなことはせずに学校から帰っても、ろくに勉強なんかせずにひたすら携帯を見る怠惰な生活を送っていた。

「なんで‥‥?」そんな声が聞こえてくることは無いだろうが、やっぱりこっちの方があんな馬鹿みたいにはしゃぐやつよりもよっぽど大人だとあの頃の根暗な僕は思っていたからだ。

しかし、そんな僕にも気になるものがひとつあった。最近近所にできた『アレ』だ。あの青塗りに黄色い文字という1度見たら夢にまで出てきそうなド派手な文字は、僕の脳裏に焼き付いた。

僕は、あれがどうしても気になり、週に数回は行くという自称常連の友人(これでも数少ない気の合うやつなんだぜ)に尋ねてみた。

「あれってなんの店なんだ?楽器屋かなんかか?」確かそんな風に尋ねたと思う。それに返ってきた回答がこれだ。

「あれは俺、いや俺ら人類の宝であり夢の空間だ」‥‥‥‥‥今聞いても僕が求めていた回答とはだいぶ違うし、なんならかなり痛いと思う。

その時の僕も、こいつは何を言いたいのかが理解できなかった、だから「ふぅん」なんていう素っ気な言ったらありゃしない返事をした。今思ったらちょっと酷かったかね、すまんな。そんな事はさておき放課後、僕はどうしてもあれが気になって仕方が無いので例の友人を案内人として、その『夢の空間(笑)』とやらに行ってみることにした。

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