第3話 登校前日

今日は退院の日だ。

やっと退院か〜。暇すぎだろ。

そんなことを思いながら病院を出る。

暇だったけど、2日に一回くらい高野さんが

来てくれていたから楽しい時間もあった。

それにしても、松葉杖で学校は目立ちそうだから嫌だな。

そう思って病院を出ると、

「三上君、退院おめでとう!」

そこには、高野さんがいた。

「ありがとう。」

「そういえば、親いないの?」

「今日どっちも仕事でいないんだよ。」

「大丈夫?帰れる?」

「家はここから5分くらいだから大丈夫。

てか、高野さんなんでここいるの?」

「いや、今日退院なの知ってたから。

一応怪我させてしまったの私だし。」

「心配してくれてたんだ。ありがとう。」

「当たり前じゃん。そりゃ心配するよ。

それより、早く家行くよ。」

「え、高野さん、うちまで来るの?」

「うん。何か悪い?」

「い、いや。悪くはないんだけど、なんで?」

「別に友達の家知っててもいいでしょ。」

ライトは友達か。

友達っていいな。と思った。

「そうだね。」

学校の話をしてもらいながら歩いていると

家に着いた。

「三上君、家ここなんだ。」

「そうだけど、どうかした?」

「私の家、ここから歩いて5分くらいなんだよね。」

「結構近いな。それにしては中学生の時に

見たことないけど。」

「この前引っ越してきたんだ。」

「そうだったんだ。」

「三上君、明日から学校来るんだよね?」

「うん」

「足の骨折治ったら、一緒に学校行かない?」

「いいの?そんなことしてたら何か勘違いされるんじゃ。」

「大丈夫だよ。勘違いされないんじゃないかな。多分ね。」

高野さんは笑顔で言った。

この笑顔は、[勘違いされるわけない]の笑顔なのか、[勘違いされたら嬉しい]の笑顔なのか。

いや、2個目は考えすぎか。

「そうだよね。」

ライトも笑顔で言った。

「それで、一緒に登校はいいの?」

「もちろん。よろしくね高野さん。」

「うん!じゃあ、治ったら教えてね。」

「わかった。」

「そうだ。連絡先交換しようよ。」

「いいよ」

連絡先を交換する。

「ありがとう。三上君。」

「こちらこそ、今日もありがとう。」

「今日も?」

「そりゃそうでしょ。病院の時も合わせてありがとう。」

「そうだね。じゃあ、また明日。」

「うん。また明日。」

家の中に入って、自分のベッドに転がった。

久しぶりだな、この空間。

親が帰ってくるのは、夕方で、

まだ昼だから、ご飯を食べてゲームをしていた。

その時、連絡が来た。高野さんだった。

内容は、(明日から学校でもよろしく。)

だった。

ライトは(こちらこそ、よろしく。)

と返した。

友達と連絡なんて初めてだな。

と思った。

なんだか、明日からの学校が楽しみな気がしてきた。

友達という存在のおかげで。

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なんだよ…こいつ @dazzlinglight

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