趣味が合う人との予想外な出会いって最高に嬉しいよねって作品

内気な少女、佳織。いつも隅で一人本を読んでいるタイプの彼女。
世界は完結していた。自分と本とだけで完結していた。しかしそこへ、彼は突然やってきた。魔族のブラン、陽気で口が上手く物凄くイケメンだった。クラスの皆からはいきなり超人気だったが、佳織は最初疎むだけだった。彼と自分とでは、文字通り住む世界が違う。魔族と人間だから本当に住む世界が違う訳だが、そういう話ではなく確実にソリが合わないということだ。
故に疎み嫌った。彼を『皆を憧れに焼き焦がして滅ぼす太陽』と称して。

しかし彼は、意外にも佳織と趣味が合った。本好きだったのだ。しかも本当に、同じ作品を存分に語り明かせるくらいに、趣味が合っていた。佳織は私が読んでいる本なんてどうせ知らないだろ、なんて思っていたのに。
皆から虐められるのが恐ろしくて、目立ちたくなくて、だから無視も出来ずしぶしぶながらも言葉を返した。そしたら通じてしまった。ブランは佳織が好きな、作中でも読んでいる作品について語った。それが佳織は、物凄く嬉しかったのだと良く分かる。そして何やかんや(ネタバレ防止でボカします)でハッピーエンドに落ち着く訳ですが、さいっこーに良い気分だった。是非とも2人には幸せになってもらいたい所ですね!!!