話と違うじゃん！

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寝慣れないベッドの上で囁かれた。

「奥さんとは別れてくれるよね」と。

えぇっと思った。

だってお互い遊びだよねぇっつって酒飲んでここ来たんだもん。あの会話はなんだったんだって話だよ。

でもそれを言っちゃうのはさ。ほら、違うじゃん。なんというかフェアじゃないというか、男的にちょっと難しいというか、さすがに一線超えちゃいそうじゃん。最近は合意とか合意じゃないとかって問題もあるし、ここで「なぁに言っちゃってんの俺達他人じゃん」なんて軽薄な態度取ろうもんなら即座に出廷で前科一犯。離婚されて妻への賠償も発生するだろうから生きていけなくなっちゃう。いやぁ無理だね無理無理。真実でも口にしちゃいけない言葉がある。とはいえ、とはいえだ。「もちろんさ」とも言えない。なんでかって、そんなの当たり前だろう。遊びだったんだからさ。せっかく信頼関係構築して緩く過ごせるような生活を手に入れたんだ。それを手放すなんてとんでもない。まぁその信頼関係を自分でぶち壊したわけだけれども今はそんな事を考えている場合じゃないよね。このめんどくせぇ女に対してどう処理するのが適切なのかを導き出さなくてはならない。あぁめんどくせぇ。めんどくせぇなぁもう。

「……」

「ねぇ、聞こえてる」

「……」

「ちょっと、ねぇ」

「……」

沈黙。

それが正しい答えだ……！

いやまったく正しくないのは分かっている。むしろ最悪な判断。悪手中の悪手だろう。しかし決断なんて無理。もうここはシカトで乗り切るしかねぇ。後はもう、なんとかなれ！

結果、なんともならず会社と家に突撃され俺は全てを失った。いやぁ、やらかしたね。けどま、切り替えていこう。とりあえず、いい女でも探すか。