懐かし
「……なつかし」
久しぶりの完全なる自由を得て。
それでも、行く当ては見つけられなくて。
「ふふっ」
そんな僕があてもなく、特に何も考えずに歩いていって。
ふらふらと歩いていた僕。その僕がたどり着いたのは自分の通っている学校だった。
僕は自ずと、久しぶりにやってくる学校の方に向かっていたのだ。
「……普段は、そんな進んで来ようとは思わないのにね」
学校が休みになった時はあれだけ嬉しいというのに……長らく学校に来れてなくて、久しぶりにその学校へとやってきたときに、こうも安心感を得られているのか。
ただ学校に来た。
それだけで帰ってきたかのような、ものすごい安心感を得ている僕は少しばかり苦笑する。
「……少し、お邪魔しちゃおうかな」
自分の前にある学校。
そんな学校へと僕は楽々侵入していく。
既に時刻は夜である為に、校門などの入り口は閉じられてはいるが、塀を超えることて侵入していた。
「ふんふんふーん」
久しぶりの学校。
そこを僕は鼻歌混じりに進んでいく。
「……屋上か」
誰もいない学校を進み、僕は静音とよくご飯を食べていた屋上にまでやってくる。
「空いている」
何気なしに屋上の扉を開けてみれば、鍵はかかっておらず、簡単に開けることが出来た。
「失礼するよ」
その屋上へと僕は入っていく。
「ふぅー」
冷たい夜風。
それが僕のことを包み込む中で、ゆっくりと手を広げる。
「さっむ」
まだ冬ではなく秋。
そこまで冷え込んではいないが、それでも夜風はかなり冷たかった。
「「輝夜っ!!!」」
なんてことをしていた中で、屋上の扉が勢いよく開かれる。
入ってきたのは静音と環奈だ。
「え、えぇ……」
その姿を見た僕は驚きの声を漏らす。
二人とも、僕の所在を探り当てるのはや過ぎない?なんで僕の場所が分かるのやら。
「……何かな?」
そんなことを考えながら、僕は二人に対して疑問の声を向ける。
夜風に当たって、僕はある程度冷静さを取り戻すことが出来た。
冷静に考えてみれば、僕が二人に戦闘で負ける気もしない。
危険は、ない。
「……ふふっ」
物騒すぎるけどね、発想が。
苦笑しながら、僕はある程度の落ち着きとともに、二人へと向き合うのだった。
理系男子と文系女子はすれ違う~告白の勇気が足りず、月が綺麗ですねと口にしてからしばし、何時の間にか幼馴染ヤンデレ美少女と引きこもりネッ友ヤンデレ美少女との二股状態になっていた件~ リヒト @ninnjyasuraimu
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