第七回こむら川小説大賞ピックアップ・4
こちらは2024年夏に行われた「第七回こむら川小説大賞」の参加作品全238作品を読んだうちのピックアップとなっています。作品数が多いのでピックアップもたくさんありますので、いくつかに分けて案内します
。
【第七回こむら川小説大賞】
https://kakuyomu.jp/user_events/16818093082011920376
【裸電球/がらながさん】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082839397450
ギリギリ脱出死別ブロマンス!
気が付いたら電球になった幼馴染と部屋に閉じ込められている主人公のお話。密室から脱出せよという緊迫感に幼馴染が電球になっているという異常事態に読者はドキドキです。どんどん「ああ、もしかして」という予感が現実になっていくところもいいですし、最後もいい終わり方で面白かったです。何より「片方が電球」という理由が読んでいくうちに読者には何となくわかってちょっとハラハラする、というのが良かったです。
【スケルトン・ナイトホークス/木古おうみさん】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082851095234
見えないけど確かにあった絆!
透明人間ケヴィンと鍵開けの天才ロウが犯罪を繰り広げながらあちこちを渡り歩いていくロードムービー。この二人の間に何があるのは明確に見えないけれども、確実に読者は何かを感じることができるのがすごくいいです。道中の何気ない会話も結末にするする結びついていくところも最高でした。見えないものを見せる、小説描写の真骨頂! 素敵です!
【光を求めて/Enjuさん】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082141265402
人類ってなんだっけ!?
人類滅亡後に亜人が人類文明を探索する、というとありふれたテーマになるんですけどこちらの作品は新人類をとても魅力的に表現しているところが印象に残りました。特に作中に登場する「人類」の扱いに関する議論が非常に面白いです。シャム博士とバット君、そしてAIのエマの即席チームが再び迫る世界崩壊の危機に立ち向かう場面はハラハラしますし、それまでの伏線が一気にドカンと出てくるところが爽快です。そしてこのコンビにまた会いたいと思うくらい、魅力的なキャラでした。大好きです。
【スポットライト/大塚さん】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082896537338
死んでから思い出してくれる奴の中で生きている!
お題「光」のせいか、人の生き死にに関する話が多い印象があります。こちらの作品は「光」を巧みに使いながらダイレクトに死んだ人の話をします。アクションとしてはお墓の前で縁のあった男二人が故人を偲ぶことを繰り返すだけなのですが、その積み重ねが二人の人生を鮮やかに照らしていくという構成が美しいです。この時期ならではという季節性も感じられて心に残る作品です。
【一風変わった性癖持ち俺、突然現れた女神から異世界転移の打診を受けるも全力でこれを拒否/尾八原ジュージ】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082874327141
おじさんと女神のファニーゲーム!
いわゆるシャイニングうんこ小説なのですが、個人的にこの作品の魅力はうんこではないと思います。未読であればまずは何も考えないで読んでもらいたいです。不条理やホラーを得意とする作者の魅力が存分に出ていると考えます。もう個人的に好きすぎてこれ以上語ると長文になるのであとはレビューで語ります。語らせてください。作品に別途レビューを書くので、そちらも読んでください。千字くらいあります。ごめんなさい。本買います。ありがとうございました。
【ゲーミング・プラネタリウム/本庄 照さん】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082923367383
星になったら光るなんて誰が決めた?
お題「光」ということで天体をダイレクトに扱った作品も結構あるのですが、こちらの作品は天体の知識だけでなく「おほしさま」という概念もしっかりテーマに組み込まれていたことが印象的でした。「人は死んだらおほしさまになる」とよく言われていますが、それと星を研究することを結び付けて死生観および星を見上げることの意味を私たちに問いかけてきます。それにしてもゲーミング・プラネタリウムはちょっと見たいですね。あったかい気持ちになれました。
【カクテル・バディ/あきかんさん】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082462753685
酒に飲まれる絶壁彼女!
個人的に超好きです。ただれた男女の酒飲みグダグダが中心なのですが、とにかく彼女の胸がないこととお酒が大好きということでグイグイ進んでいきます。そして絶壁彼女ことレイたんの飲み方がこれまた豪快というかなんというか、ダメな部類の飲み方でした。それから結末に関して、何かドラマチックなことが起こって終わるのではなくこのような終わり方をするところに非常にリアリティを感じて二日酔いのような余韻をもたらしてくれました。レイたんが健康に生きていることを祈ってます。
【グルグルとアム/鍋島小骨さん】
https://kakuyomu.jp/works/16818093082646194471
神様ってなんだっけ?
急に地球が滅亡することになるのですが、その理由が「宗教を布教しにきた宇宙人がいろいろミスったから」というダイナミックなところから始まる設定がもう面白いです。どんな着地になってもこの設定だったら最後まで読みたい、という作者と読者の信頼関係がガッチリ組まれたような感じを受けました。後半はどこまで行くのだろうというワクワクもあって、全体的に面白かったです!
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