最初から最後まで、ほっこりと微笑みながら読みました。
タイトルの『奴等は翻弄してくる』は、ちょっとロバート・R・マキャモンの『奴らは渇いている』(吸血鬼が出てくるホラー)を思わせる感じで、パッと見だとハードな感じの雰囲気があるのがまた面白いです。
そして、内容のギャップがまた良い。家で飼っている『二匹のニャンコさん』に健康診断をするため、仕方なくご飯を抜かねばならない状況になってしまった主人公(作者)が、ニャンコさんたちの『おねだり攻撃』を食らいまくるという話。
ファンシーながらも、結構攻防としての強い葛藤を味わわされるのが伝わってきます。ほのぼのする中に緊迫感があり、「これは大変そうだ!」と手に汗握る展開になります。
エッセイでありながらも、コメディでありバトルもの(?)であり、物語としての山場に満ちた作品でした。
ラストで更にひとひねりがあり、ちょっとしたミステリーみたいな展開が待っているのも、最後まで読者を飽きさせない実に楽しい仕上がりとなっていました。