我妻美乃梨 15歳の頃の日記
2010年 8月15日 晴れ
今日は特に暑くて、日差しがキツい気がする。夏休みも半分が過ぎて、学校のことを忘れかけてるけど、宿題だけは忘れさせないように山のようにある。
そんな時に友達の奈緒とどこかに遊びに行こうと話をしていて、県内にある██町の●●●キャンプ場に行くことになった。
奈緒とは中学に入ってからの親友で、クラスの中でも頼りになる存在。奈緒と一緒だとなんでも楽しい。だから、キャンプ場へのお出かけの話もすごく楽しみにしてた。
朝ごはんの後、母にその話を伝えたけど、それがまさか、あんなに面倒なことになるなんて思っていなかった。
キャンプ場? なんでそんなところに行くの!って。 母は、今まで見たことのないような怖い表情で私を見た。
私がやってはいけないことを計画しているみたいな目で睨んできた。私はただ友達と遊びに行くだけなのに、どうしてそんなに怒るのか全然分からない。
奈緒と一緒だから、学校のみんなも行ったことあるって言ってたし、普通のキャンプ場だよって説明したけど、母は全然聞く耳を持たなかった。むしろ、どんどん剣幕が強くなっていった。
普通の場所じゃないからあそこには行っちゃだめ!って勢いよく声を荒げて、私を止めようとした。理由を聞いてもとにかくダメとしか言わない。そんなの納得できるわけがない。
私はもう高校生になる年齢だし、自分で行動を決める自由くらいあってもいいと思う。だけど母は絶対に行かせないの一点張りで、私がどれだけ反論しても動じない。
母はいつも過保護だ。だけど、今日はいつもと違った。ただ心配しているというより、何かに怯えているように見える。その様子に一瞬だけ、ん?って思ったけど、正直それよりもどうして私の自由を縛るのかという怒りの方が強かった。
仕方がないから、わかったと言ってその場を引き下がったけど、奈緒には後で別の日にまた計画しようとだけ伝えた。私は母の行き過ぎた反応がどうしても理解できなくて、モヤモヤした気持ちを抱えたまま、自分の部屋にいた。
その後、昼過ぎに奈緒からメールが来た。
キャンプ場、またの機会にしよう! お母さん、ちょっと心配なんだね(笑)って。奈緒は全然怒ってなくて、むしろ母親の過保護さを笑ってくれた。
彼女の明るい反応に少し救われたけど、それでも母に対する不満は消えない。夏休みの宿題に手をつけようとしたけど、全然集中できなかった。思えば、母は私が幼いころから、何かと私の行動を制限してきたように思う。友達と遅くまで遊ぶのもダメ、遠くに行くのもダメ。
その理由はハッキリ示されることはほとんどなくて、ただダメという言葉で終わることが多かった。私のことを心配しているのはわかるけど、それがいつも正しいとは限らない。
私はもっと自由に生きたいのに。学校ではみんなが自由に遊びに行ったり、新しいことに挑戦したりしているのに、私は家の中で母のルールに従わなきゃいけない。そんな自分が嫌になることが多い。
夜になって、母は何事もなかったかのように私に話しかけてくる。ご飯の支度手伝ってくれる?と言われたけど、私は適当に返事をして、手伝わなかった。そのくらい、私はまだ怒っていたから。
でも、夜遅くに1人で部屋にいると、少しだけ母の気持ちも考えた。あんなに必死に止めるってことは、何か理由があるのかもしれない。だけど、その理由を私に教えないのなら、やっぱり納得なんてできない。
私のことを縛る理由は何なんだろう? 母に聞いたところで、どうせ答えは出てこないけど。
とにかく、本当に面倒だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます