第50話


「ねえ後藤」


「んー?」


「パチンコ屋でなんで私の隣座ったの?ガラガラだったのに」


「あの台が出そうな気がしたから」


「…ふ~ん?」


「山田の隣に座りたかったからです」


「本当に?」


「足綺麗だったし人踏み殺せそうなすげーヒールはいてたじゃんヒョウ柄の」


「言い方!」


「あれ?山田。ゴリラの天敵って知らない?」


「え、知らない」


「ヒョウだよ」


「知らなかった!」


「山田が初めて俺を襲ってきた時あるじゃん?」


「言い方!」


「あの時もヒョウ柄のすんげーブラジャーだったから、あ、俺もう完全に山田に食われる、って運命を感じました」


「なるほどね」



突然の出会いは偶然じゃなくて必然なのかもしれない。



「あの日パチンコ行って良かった」


「なんで?」


「後藤に会えたから♡」


「俺に惨敗したのに?」


「1万円で後藤と結婚できるなんて思わなかったわ!」


「俺なんて500円で山田と結婚」


「ムムムっ」


「500円ポッキリで山田と結婚」


「ポッキリて」


「ワンコイン婚」


「なんか卑猥だわその響き」


「はははっ」


「500円で手に入れたとは思えないくらい後藤の事幸せにしちゃうからね」


「よろしくお願いします」


「ねえ、新婚旅行どこ行くー?」


「山田はどこ行きたい?」


「ドバイ!」


「ドバイ!?」


「1泊200万のスイート!」


「マジか」


「冗談よ!後藤とならどこでもいいわ」


「……」


「行きたいなー」


「……」


「行きたいなードバイ」


「……」


「ドバイ行きたいなードバイ」


「…わかった」


「本当に!?」


「おう」


「きゃー♡後藤大好きー♡愛してるー♡」


「だから…」


「ん?」


「もう1回♡」


「あぁん♡」






ウホッ♡






「後藤…長生きしてよ」


「どうした急に」


「あと10年しか一緒にいられないなんてそんなのイヤ…」


「俺はそんな事言ってない。なんだあと10年って」


「だって…40までしか生きられないんでしょう…??」


「…それ、野生のゴリラの寿命な」


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美女と野獣 まりも @maho-marimo

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