第4話 武器を入手した
「ん?あれ、レーラさん武器屋ってあそこじゃないの?」
「ん?あ〜あそこか、あそこは、よく駆け出しの奴らが使っているが、あそこの武器は言っちゃなんだがそこまで質は良くないんだ。まぁ、その分安いんだけどな」
「なるほど。ちゃんと質を気にしているということは、今から行く店には期待してもいいかんじっすか?」
「あぁ、今から行くところは私がいつも使ってるところだ。だから十分期待してもらっていいぞ。次は、ここの路地に入る。ついて来い」
「は〜い。あっ、イエッサー」
「あっ、そうだ。言い忘れていたが、講義は終わったから、もう返事を戻していいぞ」
「は〜い。というか何でイエッサーだったんだ?」
「そっちの方が雰囲気が出るだろ?というかお前も試合が終わったらタメ口になってたじゃないか」
「それは…剣で打ち合ったら、心が通じ合ったことになる。よって、友人になる。だから、タメで話していい。そういうことですよ」
「おっ、ついたぞ、ここが私がいつも使ってる武器屋だ」
「無視しないでくださいよ…。というか本当にここ武器屋なの?看板とかそれらしいものがなにもないけど」
「ここは、招待制だからな。知らずに来た人を追い払うのも面倒だし、看板を作ってないらしい」
「へ〜、だからこんな知らないと来れないような路地裏に店を構えてるんだ」
「無駄話はこのぐらいにして、そろそろ店に入るからついてこい」
「は〜い」
扉を開けると、まず目に入ってくるのは大量の武具だった。そのどれも素人の目から見てもわかるほどの業物ばかりで、他の店だったらまずお目にかかれないようなもの達があった。
「よ〜、ヘパイトス。来たぞ〜」
そんなふうに呼ぶとカウンターの後ろにある扉から、汗だくで上裸になっている太い髭を蓄えた、小さな人……多分、ドワーフ族?が出て来た。
「ん?レーラ嬢ちゃんか、どうしたんだ?まだ最近武器のメンテナンスをしたばっかりだろ?何かあったのか?」
「あぁ、紹介したい人がいてな。まだまだ能力的にはひよっこも同然なんだが技術面では光るものを感じてな。ちょっと、武器を見繕ってくれないか?」
「その隣にいるやつか?ふむ…確かに佇まいからある程度の実力を感じるな」
「へ〜、わかるもんなんだ。あっ、私の名前はレイです。よろしくお願いします」
「レイ嬢ちゃんか、俺の名前はフェラリオス=ヘパイトス。この、武具店フェイスのオーナーだ。よろしくな」
自己紹介をすると、こっちに来て手を差し出して来た。握手を求めて来たのかと思い、握手をする。
「ふむ、この手は今まで剣を持ったことがないんじゃないかってぐらい綺麗だな。感じる強さと肉体の違和感が大きくて少し気持ち悪いぞ」
「そういうのはたぶんプレ…来訪者特有のものだと思います」
「あぁ、そういえば色んな世界を旅しているんだったな」
「そろそろ本題に入ってもいいか?今日はこいつのような来訪者が多くて、教育係の人手が足りないんだ。これ以上抜けていると仲間たちに殺されちまう」
「あぁ、すまんすまん。でもこれは必要なことだったんだ。ほい、これ」
「これは……素材は金属で形はカードみたいな感じか。何だこれ?」
「それはうちの店の入店許可証だ。まぁ、来る人が少なすぎて顔パスだから、形だけのだがな。今までの会話は、これを送るかどうかの審査だったんだ」
「へぇ〜、そうだったんだ。というかほとんど喋ってない気がするんだけどそれでいいのか?」
「あぁ、ここに店を構える前は師匠の元で修行してたからな。いろんなお客さんと話して来たから、だいたいのことは一言二言話せば分かるんだ。っと、これ以上話してたらレーラ嬢ちゃんに殺されちまうな。で、ここに来た目的は何だ?」
「あぁ、実践練習した時に武器を折っちまってな、代わりの武器を買いに来たんだ。ちなみに武器は、短剣だ」
「ふむ、うちの武器重いからな、正直いってレイ嬢ちゃんぐらいの筋力だと、短剣だとしても持てるかわからないんだよな。ほい、これがうちにある中でも最軽量の短剣だ」
持って来たのは、素人でもわかるほどの業物なのは当たり前だが、他の短剣とは違い、刃の部分がとても薄くできている」
「ありが———。ぐふ⁈おっも何これ本当に最軽量なの⁈」
「やっぱりダメか。そしたらうちで売れる武器はない———。いや、そういえば昔仕入れた短剣にこれより軽い武器があったような。今店の裏で探してくるからちょっと待ってろ」
「もうそろそろ本当に他の教育係から殺されそうなんだが。先に帰るからつけておくように言っといてくれ」
「ほ〜い」
「ふぅ、見つかった見つかった。思ったより早く見つかってよかったわ。あれ?レーラ嬢ちゃんはどうしたんだ?」
「もうそろそろ、他の教育係から殺されそうなんで先に帰ってる。代金はつけといてくれ。だって」
「なるほど。ありがとうなレイ嬢ちゃん。ほれ、見つかったぞ持ってみろ」
今度持って来たのは、前回の短剣とは違い業物ではない。というより、初期武器の短剣と同じくらいなのではないかと思ってしまう二振りの流線形の形をした片刃の剣だった。他の武器では見ないような特徴的な所があり、それは持ち手だけでなく刃までもが青く染められている。
「おっ、ありがとうございます。お〜、さっきと比べてだいぶ軽い!ちょっと振ってみてもいいですか?」
「おぉ、存分に試してみぃ」
自分ができる最高速度での剣戟をしてみても、全く違和感を感じなく、自分の体の一部分かのように扱える。
「ふむふむ、かなり満足しているようだの」
「はい!それは本当にもう体の一部みたいに扱えて最高ですよこれは」
「じゃあ、そろそろその武器の説明をさせてもらうぞ」
「え?何か説明するようなことあるの?」
「あぁ、その剣は魔剣でな。少々特殊なスキルがついているのだ」
「魔剣?」
「あぁ、そこからだったか。魔剣とは簡単にいうと武器にある程度強力なスキルがついた物のことだ。それでこの魔剣【アクアグロウ】のスキルは何なのかというと《
「へ〜、それで丁度適任の人が来たと」
「まぁ、そういうことだ。どうする?これにするか?」
「えぇ、それはもちろんこれにしますよ」
「おぉ、そうかじゃあお代は後でレーラ嬢ちゃんが来た時にでももらうからな。そのまま持っていけ。あっ、後これが鞘だ」
「はい!ありがとうございます。それでは狩りに行ってきます!」
「おう、存分にその武器で狩ってこいよ。さいなら」
「さようなら〜♪」
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Monde Safreyna Online @cider_man
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