詩『街の明かり〜出て行く俺に〜』

夢月みつき

本文「街の明かり〜出て行く俺に〜」



 街の明かり 出て行く俺に

 夕闇迫るこの街 一人列車に乗る

 窓から見える夕暮れの空の色が

 切なさ募らせて……


 悲しみ色濃く 幼い日の記憶が

 景色と共に脳裏に通り過ぎて

 ぐっと込み上げるものを呑み込んだ


 大人になったつもりだったけれど

 つまらないことで、喧嘩をして

 振り向いた俺のまなこの中で

 親父の背中が小さく震えていた


 ボロのリュック一つ持って

 出てゆく俺を

 今日も変わらない街の明かりが

 温かく見送っていた



 あれから五年、俺も父親になって

 あの日の親父の気持ちが分かりかけてきて……

 そうしてあの家の前まで来た

 変わらず家の明かりか優しくて


 おふくろが変わらない笑顔を向ける

 久しぶりの親父はあの頃よりも

 体も小さくなっていて

 俺の背中叩いて「元気だったか」と声かける


 涙が溢れて止まらない 

 おふくろからあの日のこと聞いて

 気がつけば 親父とおふくろ この腕に抱きしめていた

「ごめん ありがとう」


 二人の肩も震えていた

 これからも元気でいてくれよと

 息子を抱いてもらったよ



 詩にai音楽生成サイト「SUNO」で曲を付けました。良かったら、お聴きください。

 https://suno.com/song/539f3bc8-b7d9-4e33-9897-dbcc4cfb16fd



 https://suno.com/song/a3618abd-e045-4261-ab0e-e35710ecebbf

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