普段は気味の悪いw ホラー小説大得意の木山さんが書いたラブストーリーです。
端的に言って素晴らしいです。欠けたところのない幻想的なラブストーリーでした。
ネタバレがアレですんで、くわしくは書きませんが、男女三人が夢の中で知り合い、そして恋に落ち、しかし現実に戻ると忘れてしまう。もう現実に戻りたくない。では、夢見ている間に死んだらいいのではないか。。そこから物語が動き出します。
単純な男女二人のストーリーにせず、もう一人女性が加わることで、群像劇の雰囲気も備えており、それが物語に深みをもらたしています。また、三人の関係性の描き方が丁寧で、あたかも現実に起こった物語を読んでいるような気持ちになりました。相変わらず、日本語も丁寧で読みやすいです。
夢から覚めた三人が、実は長い長い時間を過ごしてきたということが判明する場面は、あたかも「ポーの一族」を読んだ時のような、深い余韻を覚えました。
ですがハピエンなので、読後感もさわやかです。
総じて、とても完成度の高い、上質なラブストーリー。参りました。
私もまた恋愛ものを書く意欲が満ちてきました。ありがとうございました。
「夢」と言う曖昧な世界と現実と言う明快な世界が上手く交差されているからこそ、読者はこの物語に在る切なさと苦しさに強く揺さぶられます。
私の語彙力では、上手く言葉には出来ないのですが。夢の世界で迎える苦しさが確かにあるはずなのに、現実では「ない」かの様に扱われてしまう点を繊細に描かれている部分が本当に秀逸であり、素晴らしいと思いました。そして何が「本物か」「本当なのか」を不明確にされている描き方だからこそ、この作品の面白みと込められた意味を考えさせられ、感じられるお話でもあると思います!
短編ながらも、本当に深い物語ですのでぜひ皆様も読んでみてくださいませ!