第3話「ここは異世界~乞食になったおっさん~」
お
重い?
なんだ?息苦しさも感じるぞ。
体には力が上手く入らず、それでいて意識が覚醒するうちに嗅覚や聴覚が目覚めてくる。
鼻に香るのは、突き刺すような腐臭、そう緑道の端で盛られるような腐葉土の香りだ。
聴覚では、何も聞こえない?
いや、これは脈か?違う、揺れだ!そう、何かが土の上を歩いたり、何か大きなものが通ったような……
……土の上?だったらここは!
両腕に慢心の力を込め腕を上げる、全身をねじり隙間を作りとわずかに息をすることができた。
だが、何という匂いだ、これは腐葉土なんてものじゃない!息をした勢いで口の中に入ってきた土は苦みと渋みが強くわずかに口に含んだだけでくらくらする。
急げ、急げ急げ、今自分がどんな状態なのかもわからない、土の上が昼か夜かもわからない。
だが、幸いにもゆっくりと土を持ち上げることができる。
また、柔らかい土質なのか体をねじり押し広げれば、周りに圧縮され、大きく動くスペースができる。
だが、こんな匂いをいつまでも嗅いでいられない。
掘り進めるんだ、少しずつ少しずつ、一点を割いていくように……
「ぶはぁ!……ぐ!」
土を貫いた片手を頼りに頭を出すと、まばゆい光が瞳に差し込んだ。
「どういうことだ、……私は生きてのか?」
眼前に広がるのは見知った町の風景ではなかった。
ゴミ拾いおじさん、異世界行ってSDGsで世界樹を救う 濵明之介 @3647
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