詩 2


この冊子に載せられた詩は、ここにも載せていた詩で、加筆修正をして掲載してもらった。



当時わたしはとても苦しくて、いや、今でも苦しいけれど、その苦しさを消そうとするのではなく、それを持ちつつもなんとか生き抜こうとして、生み出されたものだ。


なにかを伝えたかったのかもしれないし、そうじゃなかったのかもしれない。


ただただ、産毛が風に触れて毛先がなびくように、世界の空気から感じること、過去の傷から噴出される感情を、ことばというかたちで抱きしめたかったのかもしれない。



いまはなんだか、ことばを飲み込んでしまうことが多い。

激しい感情に襲われても、それをことばにしたら、なにかよくないことが起きてしまいそうで、ごくりと飲み込み、ちょっと頭が痛くなる。


わたしはまた、ことばを繋ぐことができるのだろうか。



少なくともこの深いネイビーブルーの冊子は、「だいじょうぶだよ」とわたしに微笑みかけ、側に佇んでくれている。


あのとき生み出したことばが、わたしを抱きしめてくれている。

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ことばを置いていく つきのひかり @yukitotuki

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