一等賞になれなかった僕

岸亜里沙

一等賞になれなかった僕

運動会うんどうかいのかけっこで、

ぼく一等賞いっとうしょうになれなかった。

おなじクラスのアキラくん

けちゃったんだ。

すごくすごくくやしくて、

かおをぐしゃぐしゃにして

いていた。

ゴールテープのいゴールを

はしけたけど、

なにもたのしくなかった。

だけど、

ビリだったタカヒロくん

なぜかニコニコとわらっていたんだ。

ぼくが「どうしてわらっているの?」と

はなしかけると、

タカヒロくん

「だってたのしかったじゃん」

っていました。

「ビリだったのにたのしいの?」

ぼくきました。

「うん。だってみんなと一緒いっしょはしれたから」

へんなヤツだなって

ぼくおもいました。

一等賞いっとうしょうじゃなきゃたのしくないのに。


かけっこのときだけじゃなく、

タカヒロくんはいつもニコニコしてました。

スポーツも勉強べんきょうも、

あまり出来できないタカヒロくんですが、

いつもたのしそうです。

だからかタカヒロくんまわりには、

ずっと友達ともだちがありました。


友達ともだちづくりは、

タカヒロくん一等賞いっとうしょうです。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

一等賞になれなかった僕 岸亜里沙 @kishiarisa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ