第2話

「は?」って思わず言ってしまいました。大丈夫って何がだよって。何回聞いても、母は何も教えてくれませんでした。

なので、仕方なく、僕は自分で調べることにしました。手始めに二階の押し入れを調べましたが、たくさんのガラクタと抜け落ちた髪しかありませんでした。二階には何も無いと思った僕は、階段を降りた先にある物置部屋を探しました。物置部屋は狭くて、少し調べるとすぐに怪しい物を見つけました。真っ白な長方形の箱。それには「建築会社から」と真っ赤な字が油性ペンで書かれていました。

開けるとたくさんの御札が出てきたので、驚きました。今でも思い出すだけで厭な気分になります。

御札以外にも、手紙が入っていました。

手紙の文章を簡単に書いていきます


 ○○様

この度は、××建築にご依頼していただき誠にありがとうございます。


先日からご提案させていただいているのですが、階段を上った先に御札を貼っていただけないでしょうか。

こちら側の力不足ということは事は重々承知しております。

どうしても貼る事を避けたいということでしたら、御札だけでもお受け取り下さい。

そして、このようなことになってしまい大変申し訳ございません。


               ××建築









何があったのかは僕には分かりません。家族の誰かに聞くこともできません。皆、この家で死んでしまったから。僕まで死んでしまわないように、明日、この家から引っ越します。卑怯ですかね?僕。でも、最後に御札を貼る事に決めました。


御札を貼りに行くために上った階段は僕の知っている階段よりずっと暗くって、その暗さもあって壁がいつにも増して白く、美しく見えました。

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階段 法螺吹き貝 @xtpjgmaejmp

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