階段

法螺吹き貝

第1話

僕の家はよくある二階立ての一軒家です。

でも、一つ特徴があります。 階段が十三段なんです。それがどうしたって思うでしょ?

でも、僕は気味悪く感じていました。



 

 

 当時中学生だった僕は、母と姉と父と四人で暮らしていました。裕福って訳ではなかったけど、それなりに楽しく暮らしていましたよ。自分の家の階段の段数の事なんか一切気にせずに。けど、僕はこの頃からホラーが好きだったので、割とすぐに気が付いてしまいました。少なくとも姉よりは先に。


階段の段数を数えようと思ったのは確か、夏休みの半ば頃でした。社会科の宿題で地震の時、自分はどこに避難するかまとめるレポートがあったんです。でも僕の家、避難所がすごく近くて書くことが無かったんです。なので、夜の避難も考えて家の構造を知っておこう、って思いました。そのとき、自然と階段の段数を数えることになったんです。段数を知っていれば、一階に安全に行ける、とか考えて。実際、大きな地震があったら階段なんて使える訳ないのに。

僕、そのとき初めて気が付きました。

階段の段数が十三段だって。気付いたとき「不吉だな」って思いましたよ。少し考えたら分かります。十三は昔から不吉な数字として有名ですから。

僕、どうしても気になって、ある日、母に聞いたんです。「どうして十三段なの?なんで、少し段差を高くして十二段にしなかったの?」って。そしたら母は、ただ一言「大丈夫って言ったから」って答えました。

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