第28話灼熱の王との最終決戦 - 奇跡と絆

絶望の中で


「.....これが限界なのか.....」


俺たちは灼熱の王の最後の一撃を受け、全員が地面に崩れ落ちていた。全身を焼け付くような痛みが走り、立ち上がる力すら湧いてこない。


「ダメだ.....もう、体が動かない.....」


リーナが涙を浮かべながら咳く。その杖は地面に転がり、か細い手が震えている。サラも膝をつき、大剣を杖代わりにして辛うじて立っていたが、彼女の脚にはまだ火傷の跡が残っている。


「.....諦めないで。ここで負けたら、今までの努力が無駄になるわ」


アリサが息を切らしながら、必死に鼓舞する。だが、その声にも黒りと不安が滲んでいる。


目の前では、灼熱の王が再び全身の炎を燃え上がらせ、決定的な一撃を放つ準備をしていた。


「.....これが、本当に終わりなのか.....?」


俺は剣を握る手に力を込めようとするが、体が言うことを聞かない。絶望が心を支配しそうになる中、リーナが震える声で言った。


「.....でも、私たち.....ここまで来たじゃない.....諦めるなんて、嫌だよ.....!」


その言葉が胸に刺さり、俺はわずかに動ける手で地面を押しながら言った。


「.....そうだ、ここで負けたら.....何のためにここまで来たのかわからない.....!」


最後の希望


アリサが立ち上がり、剣を構え直した。


「全員.....最後の力を振り絞るのよ。絶対に倒すわ」


その言葉に、俺たちはそれぞれの武器を握りしめ、力を振り絞った。サラが大剣を肩に担ぎ、リーナが再び杖を構える。


「.....リーナ、最後の魔法を準備して。私たちが隙を作るわ」


アリサの指示に、リーナが頷きながら全力で魔法を溜め始めた。


「サラ、レイ、行くわよ!」


アリサが叫び、俺たちは全員で灼熱の王に向かって突撃した。


捨て身の連携


サラが炎の尾に向かって一撃を放ち、動きを封じる。続いてアリサが巨体の隙間を狙い、剣を突き立てた。


「この隙に.....!」


俺は王の頭部を目指し、全力で跳び上がった。その瞬間、王が再び全身の炎を燃え上がらせ、体を震わせた。


「やばい、来るぞ!」


俺が叫ぶと同時に、王の体から炎の波が広がる。その衝撃で全員が吹き飛ばされ、再び地面に叩きつけられた。


リーナの奇跡


「もう.....もう嫌だよ!ここで負けたくない!」


リーナが涙を流しながら杖を握りしめ、最後の力を振り絞った。その声に呼応するように、杖が青白く輝き始める。


「これで.....終わらせる!」


リーナの魔法が放たれ、氷の嵐が灼熱の王を包み込んだ。炎が一瞬だけ鎮まり、その隙にアリサが再び立ち上がった。


「これで.....終わりよ!」


アリサが剣を振り下ろし、王の胸部に突き刺した。その一撃が決定打となり、灼熱の王の体が崩れ始めた。


勝利と代償


「やった......倒した......」


王が崩れ落ちると同時に、洞窟内の熱気が和らぎ始めた。俺たちはその場に倒れ込み、全身の力が抜けていく。


「本当に......終わったのね」


アリサが剣を収め、疲れた表情で微笑んだ。リーナはその場に座り込み、泣きながら笑っていた。


「.....よかった、本当によかった......」


サラも大剣を地面に突き立て、苦しそうに息を吐いた。


「ふん、私たちにかかれば当然の結果ね......」

 

彼女の冗談には思わず、全員が思わず笑みを浮かべた。


洞窟の崩壊


だが、その笑顔も長くは続かなかった。突然、洞窟全体が揺れ始め、天井から岩が崩れ落ちてきた。


「洞窟が崩れるわ!急いで脱出しないと!」


アリサの声で俺たちは一斉に立ち上がり、出口に向かって走り出した。全身に疲労が残る中、全力で駆け抜ける。


「リーナ、急いで!」


俺が手を引きながら進むと、彼女は頷きながらも必死でついてきた。


「絶対に......全員で外に出るわよ!」


アリサが先頭を走りながら叫び、俺たちは最後の力を振り絞った。


エンディング - 絆の確認


洞窟を脱出した瞬間、全員が地面に倒れ込んだ。外の冷たい空気が体を包み込み、全身の疲労が一気に押し寄せてきた。


「本当に......終わったんだな」


俺が息を切らしながら咳くと、リーナが隣で笑顔を見せた。


「うん.....みんながいたから、ここまでこれたんだよ」


「.....ふん、私は一人でも平気だったけどね」


サラが少しだけ笑いながら肩をすくめる。その言葉にアリサが微笑みながら言った。


「いいえ、全員が揃っていたからこそ、勝てたのよ」


その言葉に全員が頷き、俺たちは互いの存在の大切さを再確認した。


次なる冒険への休憩


休息を終えた俺たちは、再び街へと帰る準備を始めた。その道中、アリサが言った。


「これで終わりじゃないわ。次の冒険がまた待っている」


俺たちはその言葉に微笑みながら、次なる挑戦に向けて心を一つにした。​​​​​​​​​​​​​​​​

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異世界で私だけが彼女たちの騎士!? 〜女性専用フィールドでハーレム状態に〜 arina @arina-t

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