左虎の思い

 左虎は、泣いていた。最期の言葉、聞いてやれなくてごめんね。せめて彼の葬式には、参列しないと。悠真の最期を見た人がいないが、指紋ですぐわかるはずだ。

 それまでには、逃げなければ。でも左虎は逃げようとは思わなかった。窓枠に足をかけ、自らも空を舞った。

 葬式に参列してあげたよ。——あなたの近くに、きっと、飾られる。そうなるといいな。

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進級 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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