64 昇格クエスト打ち上げ・ティナ参戦
「ん? この雰囲気は、もしかして――修羅場かなぁ?」
ティナが長い栗色の髪をかき上げながら、クスクスと笑った。
眼鏡の奥の瞳は妖しく輝き、あいかわらず小悪魔的な雰囲気を宿している。
「いきなり入ってこないでよ。今、あたしたちは大切な話をしてるんだからねっ」
「そ、そうよ」
「あらあら、服くらい着た方がいいわよ?」
ティナがニヤリと笑う。
「あ……」
プリセラとアウラは顔を見合わせ、両手で肌を隠した。
「アーロンくんって二人まとめて相手にしたりするんだ? 可愛い顔してるのに、意外と……ふふ」
ティナが僕にすり寄ってくる。
「ねえ、二人を相手にするのも三人を相手にするのも大して変わらないよね? 私も混ぜてほしいなぁ?」
「えっ」
「ふざけないでよ」
「いきなり割って入らないで」
驚く僕、そして抗議する二人。
「あら、決定権はアーロンくんにあるんじゃない?」
ティナは二人の抗議にも動じない。
「ねえ、アーロンくん……私、今日はあなたにバージンあげちゃう覚悟で来たんだけどなぁ?」
「えっ? えっ?」
いきなりの大胆発言に僕は戸惑うばかりだった。
「アーロンくん……私、脱いだら結構すごいよ?」
ティナが胸を突き出すようにして言った。
ぷるんっ。
量感たっぷりに揺れるボリューム豊かな膨らみ。
いや、あの……脱がなくてもすごいんですが……。
「ちょっとちょっと! あーくんはあたしたち二人としかエッチなことしないの! というか、本当はあたし一人にしたいくらいなのに……ぶつぶつ」
「そ、そうよ、むしろ私一人だけに――」
「ん? 君は打算であーくんに抱かれてるだけでしょ? 彼が誰と寝ようと関係ないってスタンスじゃなかった?」
プリセラがアウラを見た。
「そうよね、アウラ?」
ふふん、と鼻を鳴らす。
「そ、それは……そ、そうです……っ」
アウラはなぜか言いよどむ。
「……なーるほど、そういう関係性? だいたい察したわよ」
ティナはニヤニヤとしている。
う、うーん……。
プリセラとアウラのことも最近はややこしい雰囲気になってきてたところなのに――。
もしここにティナが加わったら、完全にカオスになりそうだ。
****
〇『死亡ルート確定の悪役貴族 努力しない超天才魔術師に転生した俺、超絶努力で主人公すら瞬殺できる凶悪レベルになったので生き残れそう』
書籍版がKADOKAWA・エンターブレイン様から発売中です。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322407001435/
こちらから販売ページに飛べますので、ぜひ! 新規エピソードも大量に加筆してます!
カクヨム版はこちら
https://kakuyomu.jp/works/16818093084659950544
〇読んでくださった方へのお願いm(_ _)m
☆☆☆をポチっと押して★★★にして応援していただけると、とても嬉しいです。
今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひ応援よろしくお願いします~!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます