63 昇格クエスト打ち上げ・プリセラの誘惑

「アウラ……?」

「何よ。セックスなんて散々してきたでしょ? それともプリセラ先輩じゃなきゃ……嫌?」


 アウラがさらに迫ってくる。


「そ、そんなことは言ってないけど――」

「じゃあ、しようよ? ね?」


 言いながら、アウラが目を閉じた。


 明らかにキスを要求している。


 そして、その隣では僕らをジッとにらんでいるプリセラがいた。


 うっ、すごい圧迫感だ――。


「どうしたの? あたしに遠慮せずアウラにキスしてあげたら?」


 プリセラがにっこりと笑った。


「気兼ねせずにセックスしていいんだよ?」

「ほら、プリセラ先輩もこう言ってるじゃない」


 アウラが目を開け、僕を見つめた。


「別に先輩とは恋人同士じゃないんでしょ?」

「え、えっと……」


 確かに、明確にお互いの気持ちを打ち明けたとかではないけど――。


「私には力が必要なの。強くならなきゃいけないの。だから抱いて」


 アウラが僕に抱き着いてきた。


「アーロンだって気持ちいい思いができるんだからいいでしょ? お願い」


 熱情のこもった声だった。


 しゅるり……しゅるり……。


 それから、いきなり服を脱ぎ始めた。


「アウラ……!?」

「女の方からここまでしても……抱きたくならないの?」


 アウラが僕をにらんでいる。


 その目がわずかに潤んでいることに気づいた。


 興奮からか、それとも――。


 プリセラはどう思っているんだろう?


 つい、そんなことを考え、彼女の方に視線を向ける。


「ほら、遠慮せずどうぞ? それとも――」


 プリセラも同じく服を脱ぎ始めた。


「アウラより、あたしとセックスしたい?」


 えっ、二者択一みたいにするのはやめて!?


「……もしかして私を挑発してます、先輩?」

「……べっつに~。決めるのはあーくんでしょ?」

「そうですね。アーロン、私を抱いてよ? 気持ちいいわよ?」

「あーくん、あたしの中で思いっきりイカせてあげるよ?」


 二人はねっとりと絡みつくような視線を僕に向けてきた。


 うう、どうしよう――。


 いつもみたいに二人同時に抱きたいけど、そんな空気じゃなくなってる……。




「ふふ、お邪魔しまーす」




 そんな僕の救いの女神が、突然やって来た。


 がちゃり。


 ドアが開く。


「えっ……!?」

「不用心よ。鍵くらいかけたら?」


 言いながら部屋に入ってきたのは――。


「ティナ……!?」





****

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