43 槍使いはアーロンの強さに戦慄する1(ベルナルド視点)
冒険者学園三年、ベルナルド・ラーミ。
Aランクパーティ《グレイランサー》のリーダーを務める男子生徒であり、その秀麗な容姿と優れた実力から幾多の女子生徒と浮名を流してきた、いわゆるプレイボーイである。
実際、彼がアプローチすれば落ちない女はまずいない……という自信があった。
そんな彼にとって、プリセラの態度は軽いショックだった。
自分に対して最初から好意的な態度を示さないのは、まあいい。
そういう女が徐々に自分への好意を示していく過程もまた、女を落とす醍醐味だからだ。
気に入らないのは、彼女がアーロンとかいうザコになびいているらしいこと。
Fランクの、自分より明らかに格下の男にプリセラは惚れているように見えた。
自分には見向きもしない。
屈辱だった。
「お前みたいなザコに、俺が――!」
だから、プリセラの目の前で示してやろうと思った。
俺は、こいつより格上だ、と。
そして彼女はアーロンに幻滅し、自分に惚れるだろう。
屈服させたかった。
気の強そうなこの美少女を、自分の足元に跪かせてやりたかった。
「お前はそのための引き立て役だ! おらあっ!」
槍を、繰り出す。
強烈な刺突から確実に先制攻撃を取り、最速で敵を撃破する必殺のスキル【雷光突き】。
あまたのモンスターを撃破し、敵対する生徒を打ち倒してきた、ベルナルドにとって絶対の奥義だった。
(これでプリセラも、俺になびくだろうぜ)
一秒後、アーロンを打ち倒した彼に、プリセラの態度が嫌悪から好意へと変わっていく様を夢想する。
あの様子だと、おそらく処女だろう。
焦らずじっくり落としてやるのだ。
まず唇を奪い、あの豊満な胸を揉みしだき、時間をかけて最後の場所をも攻め落とし――。
などと考えていると、下腹部が熱を持ってきた。
(くくく……!)
が、その刹那の妄想の後、ベルナルドは愕然となった。
「えっ……!?」
目の前からアーロンが消えている。
「こっちだ」
声は、背後からだった。
異常なまでのスピードで【雷光突き】をかわしたアーロンが、一瞬で彼の背後に回り込んだのだ――。
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