32 マルグリット先生の『ご褒美』
僕はマルグリット先生と一緒に教官室まで移動した。
すでに日は沈み始めていて、オレンジ色の陽光が窓から差し込んでいる。
「あの、ご褒美って……?」
たずねながら、僕は心臓の鼓動がどくんどくんと高鳴っているのを自覚した。
「ふふ、先生の口から全部言わせるつもり……?」
マルグリット先生はドギマギする僕の反応を楽しんでいるみたいだ。
さすが大人の余裕――。
いくら一度肌を重ねたことがあるとはいえ――いや、そもそもあのときはスキルがオート発動して僕の意志とは関係なしにマルグリット先生を【魅了】し、【発情】させたんだ。
けれど、今回はスキルがオート発動している気配はない。
つまりマルグリット先生が僕を誘って来たのは、彼女自身の意志――ってことになる。
しゅるり……しゅるり……。
と、僕の目の前でいきなりマルグリット先生が服を脱ぎ始めた。
恥ずかしがる素振りなんて一切ない。
むしろ僕にその豊満なボディを見せつけるかのように、ゆっくりと、艶めかしく――。
下着姿に、なった。
「うう……」
僕は動けない。
頭の片隅にプリセラとアウラの顔が浮かんだ。
「さあ、後は……君が脱がせて?」
マルグリット先生が誘ってくる。
どうしよう――。
プリセラは『不特定多数の女子に手を出すようなことはさせられない』って言って、僕に身を任せたわけだけど、『特定の相手』にそういうことをするのはアリ……かな?
アウラは自分が強くなるっていう目的さえ果たせれば、後は僕が誰を相手にしてもOK……だったよね?
なら、後は僕の意志一つ――。
「マルグリット先生……」
僕は震える指先を、下着姿のマルグリット先生へと伸ばした。
「はあ、はあ、はあ……」
僕は荒い息をついていた。
教官室に入ったときは夕暮れ時だったけど、いつの間にかほとんど日が沈んでいる。
薄闇の中にマルグリット先生の裸身がぼんやりと浮かんでいる。
「ふうっ……この前よりもずっとよかったわ。アーロンくん、女の体の扱い方に慣れてきたんじゃない?」
彼女は頬を上気させて僕を見つめた。
「これで終わりにするのは惜しいわね……うふふ」
その視線が異様な艶気を伴って、僕の全身を舐め回すように見つめる。
「え、えっと……」
プリセラやアウラとは違う『大人の女』の魅力だった。
「あら? 若いっていいわね。もう元気になってきたんだ?」
と、マルグリット先生の視線が僕の下半身に向けられていた。
そこは、さっき終わったばかりなのに、早くも隆々と元気になっている僕の――。
「もう一回……する?」
マルグリット先生の流し目に、僕はコクコクとうなずいた。
この魅力に抗うなんて無理だった。
結局――その日はあと三回ほど肌を重ねてから、僕は教官室を出たのだった。
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