29 マルグリット先生との個人レッスン
――そして、二人とめくるめくときを過ごし、僕のステータスはさらに上がった。
「気持ちよかったし、強くなれるし……あらためて、すごいスキルだなぁ」
僕はにやけてしまう。
ちなみにプリセラとアウラは二人とも寝息を立てて眠っている。
「服着た方がいいんだけど、最近は行為が終わるとすぐ寝ちゃうよなぁ、二人とも……」
二人は無防備な裸身を晒していて、ゾクリと艶めかしい。
さっき三回くらいしたっていうのに、まだ物足りないとばかりに、新たな欲望が湧き上がってきそうだ。
「前より性欲が増えてるのかな、僕……」
苦笑しながら、僕は二人が風邪をひかないようにそれぞれの体に毛布を掛けておいた。
「スキルをもらう前に比べて、結構強くなってきたよなぁ……」
上昇したステータスを確認しながら、僕は感慨にふけった。
「でも、能力任せじゃダメだよね。この力を活かせる戦術を身に付けていかないと」
そろそろ――次の段階に進むべき時なのかもしれない。
そして、僕はもっと強くなる。
いずれ最難関ダンジョンをクリアするために。
「そうだ、明日マルグリット先生に教わりに行こう」
もっと強くなるための道筋を――。
※
翌日の放課後、僕は教官室を訪れた。
「私に相談ということだけど……どんなことかしら?」
彼女――マルグリット・パター教官がたずねる。
青い髪をショートヘアにした知的美人だ。
年齢は三十代半ばで、これだけ美人なのに独身らしい。
「僕のステータスは少しずつ上がっています。それを活かすための道筋を相談したくて」
言いながら、僕は緊張感を覚えていた。
もちろん、相手が教官だからということもあるけど、それだけじゃない。
僕は――このマルグリット先生と一度、肉体関係を持っているんだ。
先生にスキルのことで『高位の魔族と契約したんじゃないか』って疑われて……その疑いをなんとか誤魔化そうとしていたら、スキルが自動的に発動して、彼女を【魅了】し、【発情】させた。
後は――なし崩し的にベッドインだ。
「そうね、君のクラスは魔導師だけど、その割に身体能力が相当に高いわね。私と寝た後も、色んな女を抱いたということよね?」
「えっ? そ、それは、その――」
僕は口ごもった。
そもそも、先生って【アスモデウス】のスキル効果を知ってたっけ?
いや、マルグリット先生とセックスした後、彼女のステータスは+1されたわけだから、それを元に推測したのかもしれない。
「まあ、その……地道にパワーアップしました」
僕はとりあえずそれだけを説明した。
「今の君は魔導師というより【魔法戦士】といった方がいいわね。しかも通常の【魔法戦士】は剣にしろ魔法にしろ本職には敵わない『どっちつかず』『器用貧乏』になりやすいんだけど――君は違う」
マルグリット先生が僕を見つめた。
「もともと魔導師だから魔法能力は当然高いし、身体能力に関しても本職の戦士と変わらないくらいに高い。【剣士】と【魔導師】のいいところを併せ持った、より高次元の【魔法戦士】――」
「より、高次元の……」
「そんな君だけにできる戦術がきっとあるはずよ」
マルグリット先生は力強く言った。
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