26 二人の美少女は僕を巡ってバチバチする
二週間近くが経った。
僕のステータスはさらに底上げされている。
何せ毎日のようにしているから……ここ最近、本当にセックス三昧の生活だ。
なんだか欲望のままに生きている感じがする。
とはいえ、どっちかというと女の子側から誘ってくるし、僕はそれに応えているだけだから。
……なんて言い訳か。
僕自身もそれを望んでいるし、それを楽しんでいる。
そして快楽を思いっきり享受している。
もちろん、強くなりたいという理由が心の芯の部分にあるのは確かだ。
僕が掲げた目標――最難度ダンジョンをクリアするためには、僕自身が強くなることや冒険者ランクを一番上まで上げることが必須だからね。
セックス三昧の生活はその目的に合致する。
じゃあ、僕はあの二人のことをどう思っているんだろう?
最近、特にそう考えることが増えた。
僕らの関係ってなんなんだろう?
欲望?
打算?
あるいは――。
「今日も……あーくんの部屋に行っていい?」
放課後になり、プリセラが僕のクラスまでやって来た。
「うん。いいよ」
「じゃあ、私も」
すかさずといった感じでアウラがやって来る。
「ちょっと待ってよ。今日はあたしの番でしょ」
プリセラがアウラをにらんだ。
「毎回二人同時だとあーくんが疲れるから、って昨日決めたじゃない。一日ごとに交代するって」
「あ、そうでしたっけ? 忘れてました」
「嘘だー」
「ふふふ」
「油断も隙も無いんだから」
微笑むアウラに、プリセラはますます表情を険しくした。
「冗談ですよ。私は明日ですね」
と、アウラ。
「今日はお譲りします」
「ふん、だ。あーくんをあたしだけの虜にするんだからね」
「じゃあ、私は明日……彼を私の虜にしてみせます」
二人はあいかわらずバチバチだ。
「……というか、僕の部屋をたまり場にしないでほしいんだけど」
これは以前から思っていたことだ。
たまには僕の部屋以外を使いたい。
「だって女子寮にあーくんを連れていったら目立つでしょ」
と、プリセラ。
「そうそう、男子寮に私たちが来る方がいいわよ」
「それはそれで目立つでしょ……」
僕は苦笑した。
「まあ、ここって角部屋で広いし、それに慣れちゃったからね」
「あと、他の女の部屋で抱かれるのが嫌、っていうのが本音かな」
「あ、それはあたしも同じ」
「ね?」
なぜか、そこだけ仲良くうなずき合う二人。
「そういえば、もうすぐ昇格クエストがあるけど――あーくんは誰とパーティを組むの?」
「えっ」
「よかったら、あたしと組まない? あたし、前のパーティはほとんど脱退状態だし、君の役に立ちたい」
と、プリセラが提案した。
「プリセラが、僕と……」
驚いて彼女を見つめた。
「昇格クエストなんだよ? 今後のランクアップに大きくかかわるし、僕みたいなFランクと組むより、もっとランクの高い人と――」
「あーくんと一緒がいい」
プリセラが言った。
「あーくんさえよければ、だけど」
「僕はもちろん嬉しいよ。お願いできるなら、ぜひしたい。ただ――」
「じゃあ、決まり」
「いや、僕はやっぱりFランクだし……って言おうとしたのに」
「だから何? それにあーくんだって強くなってるじゃない。名目上はFランクでも、すでにBかCくらいの力はあるでしょ? もしかしたら、もっと上かも……」
「じゃあ、私もそのパーティに入れてもらってもいい?」
と、今度はアウラだ。
「えっ、アウラも?」
「……えっ、アウラも」
驚く僕と露骨に不機嫌になるプリセラ。
「私だってアーロンと何度もエッチして強くなってるから。お役に立てると思うわよ?」
「二人より三人の方がいいよね、確かに」
うなずく僕。
この三人のクラスは、プリセラが【剣士】で僕とアウラは【魔導師】だ。
「僕は近接戦闘もこなせるし、実質的には【魔法剣士】みたいなものだから、バランスはよさそうだね」
「むー……それはそうだけど」
「決まりね」
まだ渋っているプリセラと、嬉々としているアウラ。
「……せっかく、あーくんと二人っきりのパーティが組めると思ったのに」
プリセラがポツリとつぶやいた。
****
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