23 Aランクモンスターとの戦い

 下層へと到達すると、次に現れたのはBランクモンスター【アーマードライガー】だった。


 名前の通り装甲のような皮膚に覆われた獅子だ。


 があっ!


 吠えながら、僕に向かってくる【アーマードライガー】。


 その動きは、今の僕の動体視力からすれば、随分とスローモーションに見えた。


 反応速度も上がっているから、余裕をもって対応できるのだ。


「ただ……さすがに正面からの力比べは厳しいよね」


 いくら僕の身体能力が上がったといえ、パワー系のモンスターを相手に力比べは無理がある。


「素直に遠距離から倒そう――【デッドリィファイア】!」


 僕は火炎系の中級魔法を唱えた。


 ごうんっ!


 直撃。


【アーマードライガー】はあえなく爆散して絶命した。


「Bランクモンスターも簡単に倒せた……」


 僕は自分の強さに手ごたえを感じていた。


 とはいえ、さすがに今回はここまでかな。


 AランクやSランクはゲーム内でも別格の強さを誇る。


 今の段階で無理に挑む必要はないだろう。


 ――と、そのときだった。




 るおおおおおおんっ!




 壁を突き崩し、巨大な竜が出現する。


「な、なんだ、こいつ……!?」


 この辺りはBランクモンスターまでしか出ないはずなのに――。


 目の前にいる竜は明らかにAランクか、それ以上のモンスターに見えた。


「【ウォータードラゴン】じゃないか、これ……?」


 と、そのモンスターの正体に気づく。


 だとすれば、Aランクのモンスターである。


 少なくともゲーム内だと、ダンジョンのフロアによって出てくるモンスターのランクが決まっていた。


 なのに、なぜ――。


「もしかしたら……」


 僕はハッと気づいた。


 ゲームではそうだったとしても、ここは『現実』だ。


 ゲームでは本来起こらないイレギュラーな事態が起こってもおかしくはない。


 上階の戦いが気になって、下のフロアからAランクモンスターが出てきたのかもしれない。


「Bランクまでは倒せたんだ。きっとAランクにだって勝てる」


 僕は気合いを入れ直した。


 予定外の戦いになったけど、いずれはAやSランクモンスターにだって挑むつもりだった。


 もう少し強くなってからのつもりだったけど、仕方がない。


「やるぞ――!」


 僕はもっと強くなってやる!




「【デッドリィボルト】!」


 僕は覚えたての雷撃魔法を放った。


 以前に覚えた【デッドリィファイア】と同格の中級攻撃魔法だ。


 ばりばりばりっ!


 青白い稲妻が四方から【ウォータードラゴン】を撃ち抜いた。


 水属性の【ウォータードラゴン】の弱点は雷撃だ。


「これなら――」


 ぐおおおおお……んんっ!


 が、【ウォータードラゴン】は怒りの咆哮とともに雷撃をはねのけてしまった。


 さすがはAランクモンスターだけあって強い。


「だけど――効いてる!」


 そう、モンスターの全身から白煙が上がり、動きも弱々しくなっている。


「なら、もう一発――!」


 僕は【デッドリィボルト】を放った。


 このまま一気に押し切ってやる。



****

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