22 二人の美少女に挟まれて修羅場、ふたたび

「二人と同時にしてしまった……」


 プリセラ、アウラと別れた後、僕はさっきまでの激しい『行為』の余韻に浸っていた。


 二人の美少女から同時に迫られ、裸で激しく絡み合った記憶は、とてつもなく鮮烈だ。


 強烈な興奮はまだまだ醒めない。

 しかも、


「なんか……ステータスがいつもより上がってる……!?」


****

名前 アーロン・ゼラ

クラス 魔導師

レベル 5

耐久 40→43

筋力 25→28

敏捷 30→33

知力 55→58

魔力 60→63


スキル

【魔法弾】【シールド】【ヒール】【デッドリィファイア】

【身体強化】【バーストスラッシュ】【乱れ斬り】【マジックスピア】

【ブラックボム】

【居合斬り】←new!! 【デッドリィボルト】←new!!

****


 上がり幅が+3……つまり、普段の三倍になってるぞ?


「……ちょっと試してみたいな」


 僕は明日、ソロで討伐クエストをやることにした。


 自分一人でどれくらいやれるのか。

 自分一人だと、どれくらい強いのか。


 僕はもうFランクだったころの僕じゃない。


「ついでに実績を重ねてFラン脱出といきたいな」


 いつまでも最底辺ランクのままなのは肩身が狭いからね。


「よし、がんばるぞっ」




 そして翌日。


 冒険者学園のカリキュラムの中には『自由課題』という時間が少なからずある。


 ここはその名の通り、生徒が自由に課題を決めて取り組むことができる。


 僕は昨日考えた通り、ソロでのモンスター討伐クエストをやることにした。


 学園内にある冒険者ギルド支部に行き、さっそく適当なモンスター討伐の仕事を受けてくる。


 内容はダンジョン内に生息するモンスター退治。


 下のフロアに行くほど敵が手ごわくなるけど、任意の場所まで行って、そこまでで倒したモンスターの数やランクに応じて報酬が出る。


 で、ダンジョンに入ると、さっそく【スケルトン】の軍団が現れた。


「モンスターランクはD……つまりDランク冒険者なら勝てるけど、E以下だと厳しいって感じか」


 当然、Fランクの僕に勝てる相手じゃない。


 しかも、それが十体。


 まだ五つ目くらいのフロアなのに、結構手ごわい敵が出てくるな。


 いや、違うか。


 僕のランクが低すぎるから、そう感じるだけなんだ。


 一般の冒険者は、これくらいの敵ならきっとガンガン倒している。


「だから、僕も――」


 剣を手に、無造作に歩み寄った。


「負ける気がしない……」


 十体の【スケルトン】を見回し、僕は微笑んだ。


 不安も恐怖もまったく感じなかった。


 勝てる、という圧倒的な自身だけがあった。


【スケルトン】たちがいっせいに向かってくる。


 手に手に細身の剣を携え、


「【乱れ斬り】」


 僕はスキルを発動した。


 プリセラとの一週間に及ぶ爛れた生活の中で、彼女から習得したスキルの一つだ。


 一対多数で効果を発揮する、連続攻撃スキル。


 他にも、僕は彼女から強力な攻撃スキルをいくつか習得している。


 ざんっ! ざんざんざんざんざんざんざんざんざんっ!


 一瞬にして十体の【スケルトン】はバラバラになる。


 瞬殺だった。


「いける――」


 僕は手ごたえをつかんでいた。


 Dランク程度のモンスターじゃ相手にもならない。


「いやCランクも、Bランクも……たぶんそれ以上のランクも――いけるんじゃないか?」


 どこまでソロで戦えるか、試したい。


 僕はワクワクしながら先へ進んだ。




「【バーストスラッシュ】!」


 現れたCランクモンスター【レッドオーガ】を、僕は強烈な斬撃で一刀両断にした。


 これまた瞬殺だ。


 以前は近接戦闘なんて全然できなかったけど、基礎的な身体能力のステータスがかなり上がったことと【身体強化】があることで、遠近両方の距離で戦えるようになってきた。


 これは、かなり大きい。


 魔導師にとっての泣き所である『近接戦闘』においても優位に戦闘を進められるっていうことだからね。


 今の僕には、明確な弱点はない――。


「まだまだ余裕があるな……次はBランクも行ってみるか」


 このダンジョンではフロアを5つ降りるごとに、現れるモンスターのランクが一つ上がる。


 Dランク、Cランクと連続して撃破したので、次はBランクに挑戦しよう……と僕はさらに下のフロアへと歩みを進めた。




****

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