15 プリセラとの事後 ~責任取ってよね~

 結局、その日もプリセラと体の関係を持ってしまった。


 そして僕とプリセラはそれぞれ、ステータスを1上げた。


 さらに僕はプリセラの持つスキルを一つ習得できた。


 大幅な上昇ではないけど、こうやってセックス回数を重ねていけば、確実に強くなれるな……。


 Fランクで才能のない僕にとって、こうやってプリセラとヤリまくるのが一番効率のいいパワーアップ方法かもしれない。


「……いや、さすがにそれは『爛れた生活』にも程があるか?」

「ん? 何か言った?」


 ベッドの端に腰かけた状態で僕がつぶやくと、プリセラが上体を起こした。


 さっきまで『そういう行為』をしていたので、彼女は一糸まとわぬ全裸だ。


 まぶしい白い肌や豊かに盛り上がった左右の膨らみが眼前で息づいている。


 プリセラは胸を隠そうともせず、小悪魔めいた表情で僕の反応を楽しんでいるみたいだ。


「ふふ、ドギマギしちゃって。可愛い」


 クスクス笑うプリセラ。


「初心でいいよねぇ、あーくんって」

「僕が初心って言うなら、君だって初めてだったじゃないか」

「そうよ? あーくんがあたしの処女、奪ったんだからね。ちゃんと責任取ってよね?」


 プリセラの笑みが『クスクス』から『ニヤニヤ』になった。


 僕をからかって楽しんでるんだ、きっと。


 責任……か。


 古風な考え方でいくなら、僕は彼女の『純潔』を奪ったわけだもんなぁ。


「ん? ひょっとして真剣に検討してくれてる?」


 プリセラが僕の顔を覗きこんだ。


「えっ!? い、いや、だってプリセラが言い出したんだろ」

「ふふ、あたしのこと……お嫁さんにもらってくれるわけ?」

「そ、それは――」


 さすがに結論が一足飛びすぎる。


 ただ、プリセラは可愛い。


 めちゃくちゃ可愛い。


 それに僕とは幼なじみで、気心の知れた仲……ってことになるし。


 少なくとも向こうからしたら、そうだ。


 ただ、僕は――幼なじみとはいえ、前世の記憶が覚醒した今となっては、『彼女と幼なじみとして過ごした時間』っていうのは、『別の自分』が過ごした時間という感覚しかない。


 僕にとってプリセラはまだ知り合って間もない女の子に過ぎない。


「ごめんごめん。真剣に悩ませちゃったね」


 プリセラが頭を下げた。


「ちょっとからかったつもりだったけど、あーくんってそんな反応するんだね? なんだか、今までの印象と随分変わった」

「えっ」

「別人みたい」


 プリセラの表情がいつの間にか真顔だ。


 僕はギクリとした。


 実際、今の僕は数日前までの『アーロン・ゼラ』とは別人みたいなものだ――。


「でも、あたしは今のあーくんが好き。じゃなかったら、さすがに体の関係まで持たないよ?」

「えっ……」

「あ、そろそろあたし行かなきゃ。剣の鍛錬の時間。それじゃ、またね」


 言うと、プリセラは僕の唇にかすめるようなキスをした。


「また、明日ね」




****

〇『死亡ルート確定の悪役貴族 努力しない超天才魔術師に転生した俺、超絶努力で主人公すら瞬殺できる凶悪レベルになったので生き残れそう』

書籍版がKADOKAWA・エンターブレイン様から11/29発売予定です。

https://www.kadokawa.co.jp/product/322407001435/

ご購入を検討されている方は予約していただけると大変助かります! 新規エピソードも大量に加筆してますので、ぜひ!


カクヨム版はこちら

https://kakuyomu.jp/works/16818093084659950544


〇読んでくださった方へのお願いm(_ _)m

☆☆☆をポチっと押して★★★にして応援していただけると、とても嬉しいです。

今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひ応援よろしくお願いします~!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る