主役は最後にやってくる

@hosikage0322

第1話

俺は、1人広い研究室の真ん中にぽつんと座っている。

ああ、広いと言ってもただただ殺風景な何もない空間が広がっているだけだ。

俺がなぜここにいるのかもわからない。何をするにも気力がない。自分でも生きてるか、死んでいるかわからない。

ただ、俺はどうなっても生き続けなければならない。

俺には、昔かけがえのない仲間がいた。

そいつは消える前に俺に言ったんだ。

「あなたは私を忘れて幸せに生きてね。そして、必ず生き続けて」

あいつの最後の言葉だ。

他にも伝えたいことがたくさんあったはずなのに、あいつはこれを伝えてきたんだ。

なぜ、これなのかを考えても考えてもわからない。

そんなことを考えているといつもの時間がやってくる。

なんの時間かというと、俺がここに来て少し経った頃にここに迷い込んできた記憶喪失の女の子に話を聞かせる時間だ。

まあ、なぜかは後でわかるさ

「さて、今日こそは、、、、」

そうボソッと呟きながら俺は身を起こして女の子の眠っているベットに向かっていく。

「やあ、調子はどうだい?」

「そこまで良くはないかな、でもいつも通り」

そんな会話をしながら俺は少女の隣にある椅子に座る

「さて、今日も地球を救いそして裏切られた救世主の話をしようか」

「やったァ!」

俺がそう言うと少女は無邪気で愛らしい笑顔をうかべる

その顔を見ながら俺は胸のいたみを抑え語り始める

彼女が全て思い出す瞬間まで、、、、、、



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