【解説】首折橋の女
この物語は、ラストシーンの解釈次第で、霊に取り憑かれた男が再び首折橋へ向かっているものなのか、別の理由で首折橋へ向かったのかが別れるようになっている。
〝隣の部屋を覗き、横になっている妻を確認した〟
〝妻は玄関を閉め忘れていたまま眠ってしまったのだろうか〟
ここで、横になっている妻が、既に亡くなっていると読み取った場合、後者のルートで進むことになる。
この解釈では、主人公・カシワギは首折橋の女の正体に気付いて隣の部屋で横たわる妻を見つけてしまう。そして首折橋へ向かうのだ。
さて、何をしに再び首折橋へ向かったのか。それは橋から投げ捨てられた何かを探しに行ったのだ。そして、橋から投げ捨てられたのは――まだ生まれたばかりの息子。
橋に設置したカメラ映像を確認したカシワギは、それ以降、女のことを「霊」と表現しなかった。それは女が霊ではないことが分かったからだ。
四葉という情報提供者。噂話をする掲示板の匿名ユーザー。首折橋の女。
全てが同一人物だったとしたら、いったいそれは誰なのだろうか。
四葉のクローバーの花言葉には、〝幸運〟のほかに〝私を思って〟などがあり、それが叶わなかったとき、愛情が憎しみに変わることから〝復讐〟という花言葉もあるとも言われている。
カシワギに憎しみを持ち、彼の妻と子供に手をかけた人物は一体誰だったのだろうか……。
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【くすんだマネキンの腕だった。】
(全一話・約九六〇〇文字)
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