第4話
気がつくと目が覚めた。
ここはどこだ。
ここが授業をするところなのか?
僕は勉強がしたい。でも、絵が描きたい。
んーどうしよう。彼らは乗り移ることができたのか?
彼らはどこにいるのだろう。
こんな高い建物初めてだ。
下にいっぱい大人がいる。
なんだこの絵は。
僕はひょっとしてこんなに絵が下手なのか。まず、なんの絵なんだ。
勉強がしたい。
でも、人がいっぱいで逃げ出したい。
あの大人たちはいったい何なのか。
誰なのか。
誰かが走っている。2人だ。
大人たちにバレないように2人が走っている。
きっと彼らだ。
どうしようどうしよう。
僕は勉強がしたい。
授業ってこんな感じなんですか。
僕は何も考えずにまた絵を描き始めた。
それでもやっぱり勉強がしたい。
絵も描きたいけど勉強だ。
僕は開いてあった本を読む。
それこそ読める文字だけ。
とても面白かった。
僕はたった一人の空間にいた。
周りの声など聞こえない。
一人の空間にただ一人。
「勝田くん戻って来れるかしら」
なんて1人の女子がつぶやいた。
彼らはいったいどこへ行ってしまったのか、本当に神隠しなのか。
色んな憶測が飛び交う教室で、山岡くんは
「宮原くん、あれほんとなの」
と聞いた。
彼は内心怖がっていたのだろうか。
「僕の実家、阿魏神社だから」
周りの皆がえ!と驚く。
「うそうそ、でもその話はほんとらしいよ」
と言った。
「悪かったよ、あんなこと言って」
と言い出したのは鷲尾くんであった。
続けて何人かも謝る。
「今日一緒にお昼食べよう」と山岡くんが言った後に、宮原くんも「いいよ」と言った。
天野さんは、
「ようやくクラスが仲良くなれたわね」と嬉しそうに言った。
そこで4時間目の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
皆目を合わせている。しかし何も言わない。
「え、なんで」
と声を出したのは学級委員の今野くんだ。
元通りに三松くんと山川くんが席に座っているのだ。
2人も驚いていてあたふたしている。
「どうしたのみんな」
と何もなかったように山川くんが言う。
皆にこっちの台詞と言われている。
とある女子が山川の上履きを指さした。
とてつもない砂利が付いている。
「え、なんで!」と彼は言った。
三松も砂利がついていたらしく、その場に立ち上がった。
よかった無事で。という言葉が飛び交う。
確かにものすごくいいクラスのようだ。
彼らには記憶がなかったのだが、僕には記憶が存在する。
のちに僕は三松くんと山川君に伝えた。
そうだ。
あとは石を届けてくれた勝田くん。僕はありがとうと伝えた。
勝田くんと同時に担任の志村先生が戻ってきた。先生は、
「お昼ごはん、食べよう」と言って、教室の中へ。僕もしっかり勉強をして、いろんなものを大事にしようと思った。彼らのことが凄く気がかりで。
僕は開いてあったノートのページを見た。
自分の絵の上に“しっかりべんきょう”と書いてあった。僕は頷いた。
僕はしばらくして熱心に勉強をつづけた。
それから週の日課行事もすることにした。
阿魏神社での勉強会だ。
僕は教えてもらってばかりだけど。
あの子たちもここにいてほしい。
僕らと一緒に笑ってほしい。
そんなことを思っている。
普段はつくはずのない灯篭が3つ光出した。
灯籠隠し 雛形 絢尊 @kensonhina
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